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事故物件売却5つの鉄則をプロが伝授!告知義務の概要や買取相場、具体的な売却方法もレクチャー

 

売りたい人

親族が部屋で亡くなっていたマンションを相続することになった。

すぐにでも売却したいけど、人が亡くなった物件って通常と同じように売れるのかな?

通常の売却とは違うポイントや注意点、少しでも高く売る方法があれば知りたい。

そういった方の疑問に答えていきます。

前提として、事故・自殺があった物件の売却価格は相場よりも2~3割下がってしまいます。

ですが、少しでも安く物件を買いたいと考える人や、過去の事実は気にしないと考える層がいるのも事実です。

また、事故・自殺の事実があった場合でも、発生した時期やその後の居住状況によっては、通常の物件として売り出せるケースもあります。

今回の記事では、

  • ・事故、自殺の事実を伝える必要があるかどうかの判断基準
  • ・告知義務、心理的瑕疵の概要とリスク
  • ・事故、自殺物件を少しでも高く売るための方法

などについて、わかりやすく解説をしていきますね。

また、先に事故物件売却で一番重要なキモをお伝えしておきます。

それは、不動産一括査定サイトを使って複数の不動産会社を比較した上で売却する業者を決めること

たまたまネットで調べた会社に

あなたのマンションは2500万円です。

不動産屋さん

と言われても、査定額が妥当なのか判断する術がありませんよね?

本来であれば3000万円で売れる物件を、1社だけの査定額2500万円を信用して、500万円損をしているような人は少なくありません。

※特に事故物件は安く見積もられることが多いので、絶対に1社だけの査定額を鵜呑みにしないようにしてください。

複数社から査定額をもらうことで、売却できる相場価格をつかむことができ、数百万円安売りするリスクを回避できます。

どの査定サイトを使うか悩む人は、NTTデータグループが運営する日本初の一括査定サイト「HOME4U」が便利ですよ。

それでは、売却の一番のキモを押さえてもらったうえで、本文にいきましょう!

もくじ

事故・自殺物件を売却する上で「告知義務」と「瑕疵担保責任」は必ず押さえておきましょう

冒頭でも伝えた通り、事故・自殺物件の売値は相場よりも下がります。

本来であれば、通常の物件として売りに出せることが一番の理想ですよね?

そこで、事故・自殺物件を売る際に知っておいてほしい2つの予備知識、

  1. 告知義務
  2. 瑕疵担保責任

について説明をしていきます。

1.告知義務

あなたは「告知義務」という言葉を聞いたことがありますか?

もし売却する物件に何かしらの瑕疵(欠陥や問題)がある場合、売買契約を結ぶ前に買い主に瑕疵を伝えておかなければいけない売り主側の義務を指します。

告知義務にあたる事象は、事故や自殺物件に限ったことではなく、

  • ・物理的瑕疵(雨漏り、白アリ、建てつけの悪さ等)
  • ・法律的瑕疵(建て替えができない、耐震基準を満たしていない等)
  • ・環境的瑕疵(暴力団事務所、廃棄処理場、葬儀場などが周囲にある等)
  • ・心理的瑕疵(殺人、自殺、事故が過去にあった等

など、買い手にとって購入をするかの判断に影響する事象も含まれます。

2.瑕疵担保責任

もし告知義務を守らずに欠陥や問題を隠した状態で売却してしまうと、あとで買主が問題に気付いた場合、多額の損害賠償を求められたり、売買契約の解除を求められるケースがあります。

売却後に問題が見つかった際に、売り主が買い主に対して負うべき責任のことを「瑕疵担保責任」と呼ぶので、覚えておいてください。

事故・自殺物件は、先ほど紹介した4つの瑕疵の内で「心理的瑕疵」と呼ばれる項目に該当します。

MEMO

心理的瑕疵・・・不動産を購入した後の人が、「その情報を知っていたら、購入しなかった。」と思う心理的なマイナス要因となる欠陥のこと。

例としては

  • ・物件内で自殺や事故、事件があった
  • ・物件付近に廃棄物処理場や下水処理場、暴力団等の嫌悪される施設があった

といったものが挙げられる。

ただし、この「心理的瑕疵」は法律でも曖昧な部分があります。

一つの事象に対して「100%心理的瑕疵にあたる」「絶対心理的瑕疵にあたらない」と言い切ることはできません。

理由は、

  • ・社会通念的にどうか(常識的に考えてどうか)
  • ・買い主の購入目的は何か(居住or投資用)
  • ・自殺か他殺か、事故か自然死か
  • ・亡くなってからの経過年数はどれほどか
  • ・発生してから別の人が入居しているか

など、複数の要素が絡みあったうえで最終的な判断がされるからです。

ここで押さえておいて欲しいのは、「心理的瑕疵かどうかを自分で勝手に判断しない」こと。

瑕疵であるかどうかを決めるのは、買い主の主観に影響されるため、必ず売却を依頼する不動産会社や専門家などに相談した上で、買い主に告知するかどうかを判断してください。

関連記事→瑕疵担保責任を知らずにマンションを売ると告知義務違反になりますよ

売りたい人

なるほど、やっぱり基本的には事実を伝えないと問題になるのね・・・。

でも、売り主側から言わなければ、買い主側にその事実が伝わる可能性はないんじゃないの?

もちろん100%伝わるわけではありませんが、過去の判例では近隣住民から情報提供があって事実が発覚するケースが多いです。

事故や自殺であれば、周辺住民の人の記憶にも残りやすいので、やはり原則は伝えたうえで売却することが望ましいです。

不動産屋さん

 

 

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事故・自殺が物件の売却前の清掃・処理方法や費用相場について

売却する不動産の室内や建物内で事故や自殺があった場合、当然そのままの状態で売りに出すことはできません。

特に一人暮らしの自殺や事故の場合は、亡くなってから発見までの期間が空いてしまうことが多く、においやシミが残る場合があります。

通常の清掃業者では対応ができないため、「特殊清掃業者」と呼ばれる業者に依頼をすることが一般的です

特殊清掃業者の依頼の費用や相場はいくら?

特殊清掃業者によっても、作業の内容や現場の状況によっても、料金は変わってきます。

作業内容や費用の目安として、特殊清掃を専門で扱っている専門業者であるアイコムのページから一部引用させてもらったので、参考にしてみてください。

作業内容 作業料金
消臭剤、除菌剤の散布 10,000円~
オゾン処理による消臭、除菌 30,000円~
床上の特殊清掃 30,000円~
浴室の特殊清掃 40,000円~
畳の除去 1畳 3,000円~
作業員人件費 1名 20,000円~
解体、リフォーム 別途お見積り

引用:東京・埼玉・神奈川・千葉の特殊清掃は「アイコム」

具体的な金額は当然業者によって大きく異なるため、複数の業者の見積もりやサービス内容を加味した上で、依頼する業者を選ぶといいでしょう。

事故・自殺があった物件の5つの売却方法・鉄則

ここからは、事故・自殺物件として売り出す前提で、売却する方法や戦略について話をしていきます。

事故・自殺物件を売却する際の選択肢は以下の3つ。

  1. 通常の家の状態に戻して売る
  2. 相場より値を2~3割下げて売る
  3. 戸建住宅であれば解体して土地の状態で売却する
  4. 仲介の場合は「専任媒介」での売却を依頼する
  5. 売れなければ業者に直接買い取ってもらう

複数の売却方法を知っておくことで、より戦略的に売却を進めることができますよ。

それでは順番に説明をしていきます。

1.通常の家の状態に戻して売る

事故物件を売却する際の大前提として、事故が起きる前の状態に戻しておくことが大切です。

さきほどもお伝えした通り、死後時間が経過してから発見された場合は、亡くなった人の体液や臭いがどうしても、残ってしまいます。

特殊清掃等を依頼して修復作業をするのはもちろんのこと、部分的には修繕やリフォーム等をして、痕跡を残さないようにすることが大切です。

痕跡が一切分からない状態であれば、相場より安いのであれば買いたいと考える人は一定数存在します。

2.相場より値を2~3割下げて売る

事故・自殺物件は、必ず「相場価格よりも値を下げてから売る」ようにしましょう。

事故・自殺物件であるデメリットを認めたうえで、値段に反映させて売りに出すわけです。

自然死の場合は2割程度、自殺であれば3割、殺人等の他殺である場合は5割減での価格設定をおすすめします。

とはいえ、最初は安く売り出し過ぎず、様子を見て値下げしていくことがベストです。

きちんと告知をした上で、買い主が問題ないと感じるのであれば、相場通りに値下げする必要はありません。

なかなか買い主が現れない場合は、不動産会社と相談をしながら値下げを行いましょう。

3.戸建住宅であれば解体して更地の状態で売却する

過去の事故物件に関する判例を見ると、事故・自殺があった物件でも、建物自体が壊されていれば瑕疵には当たらない場合が大半です。

築年数が古く、建物価格がほとんどつかない一戸建てであれば、解体して土地の状態で売ってしまうのも一つです。

とはいえ、周囲の人に根強く残るような事件・事故であれば、更地にしたとしても嫌悪感を抱かれるケースもあります。

その場合は、土地の状態で駐車場として暫くの間活用し、一定期間を置いてから売却するのも一つの選択肢です。

また、解体に当たっては当然費用が掛かりますから、事故物件として宅地のまま売却する場合と、更地にした場合の見積もりをとった上で、最終的に早く高く売れる選択肢を選ぶといいでしょう。

4.仲介の場合は「専任媒介」での売却を依頼する

売却をする時の一つのポイントとして、3つの媒介契約の内「専任媒介・専属専任媒介契約」を選ぶことをおすすめします。

媒介契約とは、不動産会社に正式に売却を依頼する契約のことで、複数の不動産会社に売却を依頼できる「一般媒介」と、1社だけに売却を依頼する「専任媒介・専属専任媒介」があります。

3つの媒介契約に関しては、マンション売る際の3つの媒介契約の違いとおすすめの契約先の選び方の記事を参考にしていただきたいのですが、おすすめは「専任媒介or専属専任媒介契約」を結ぶことです。

一般媒介を結んで複数の不動産会社に売却を依頼すると、実際に買い主をみつけて契約にこぎつけた不動産会社しか仲介手数料を手に入れることができません。

不動産会社側としては、せっかく広告費や人件費を割いたとしても、1円にもならない可能性があるため、物件の優先度は低くなります。

事故物件はただでさえ買い手が見つかりづらいため、一般媒介で依頼をしてしまうと、どの不動産会社にも対応を後回しにされてしまう可能性があるのです。

一方で、「専任媒介・専属専任媒介」を結んでしまえば、1社にだけ絞って売却を依頼しているため、不動産会社としてはほぼ確実に売り上げにつなげることができます。

事故物件であっても、優先度をあげて売却活動を進めてもらいやすくなるので、結果として早く売却できる可能性が高くなるのです。

5.売れなければ業者に直接買い取ってもらう

通常の不動産仲介の形でまずは売りに出してみて、どうしても売れない場合は、「不動産買取」を利用するのも一つの手です。

仲介で売却するよりも、金額はさらに安くなってしまいますが、早く確実に売れることに加えて、下記のようなメリットも受けられます。

  • ・仲介手数料がかからない
  • ・売却後の瑕疵担保責任を負う必要がない
  • ・引き渡しの時期に融通が利きやすい
  • ・リフォームや修繕なしでそのままの状態で手放せる

事故物件が本来市場価値の高い物件であれば別ですが、相続した築古の不動産であれば、最初から買取を選んで早期に処分してしまうのも一つの方法ですよ。

関連記事→不動産買取業者おすすめランキングTOP20をプロ目線で紹介!~評判や特徴も解説

事故物件を売却する際は、必ず複数の不動産会社に査定・見積もりをしましょう

事故物件を仲介で売却する場合も、買取で処分する場合でも、絶対に押さえておくべきポイントがあります。

それは、「複数の不動産会社に査定を依頼する」ことです。

不動産会社によって、売却時の査定額や買取額に300~500万円単位でかわってくるため、1~2社だけに査定を依頼しただけで売却を進めるのは危険です。

特に事故・自殺物件は、不動産業者に足元を見られて、査定額や買取額が低くなる傾向があるので、注意してください。

一社だけへの依頼ではその値段が適正なのかわかりませんが、複数の業者に依頼することによって、適正な相場価格が分かったり、より高い買取価格で買い取ってくれる業者を見つけることができます。

ただ、査定を依頼するために、不動産会社を何社も回ったり、何度も査定フォームに入力するのは面倒なものです。

そこで活用して欲しいのが、最近主流になってきている「一括無料査定サイト」です。

一括無料査定サイトとは?

一括無料査定サイトは、ネット上で売りたい物件の情報を入力すると、複数の不動産会社からまとめて査定の結果を得られるサービスです。

直接不動産会社に足を運ぶ労力もかかりませんし、入力した物件のエリアに強い不動産会社が自動的にピックアップされるので、0から不動産会社を探す手間も省けます。

仲介による売却であれば、NTTデータグループが運営する査定サイト「HOME4U」がおすすめ

売りたい人

一括無料査定サイトを利用するのがいいのね。

でも、ネットで調べたらたくさんの一括査定サイトがあって、どれを選べばいいのか分からない・・・。

そんな方のために、40以上のサイトを比較してきた筆者がおすすめしたい一括査定サイトが「HOME4U」です。

運営会社はNTTグループの「NTTデータスマートソーシング」です。

日本初の不動産一括査定サイトでもあり、運営歴は17年を数えます。

地方の物件であれば、査定対応ができないケースもありますが、初めて不動産一括査定サイトを活用する人にはとてもおすすめです。

買取を依頼するなら、三井のリハウスや住友不動産販売などの大手6社に査定を依頼できる「すまいValue」がおすすめ

最初から不動産の買取を利用する場合は、三井のリハウスや住友不動産販売、東急リバブルなどの大手不動産仲介会社6社が共同運営する「すまいValue」がおすすめです。

すまいValue

なぜ買取の場合はすまいValueがおすすめなのかというと、査定を依頼できる6社のうち5社が不動産の買取に対応しているからです。

一般的な不動産一括査定サイトを使ってしまうと、買取に対応していない会社がピックアップされる可能性が高いので、効率的に利用することができません。

すまいValueであれば、買取にも対応している資本力のある会社6社に査定を依頼できるので、より高い金額で買取をしてくれる会社を見つけられます。

いずれも大手で信頼のある会社ばかりですから、査定を依頼したとしてもしつこい営業を受ける心配もないので、ぜひ活用してみてください。

事故・自殺物件の買取に特化した不動産会社6選!

通常の売却方法で事故・自殺物件が売れなかった場合は、買取をするのもおすすめであるとお話しました。

買取を行っている会社は数多くありますが、事故・自殺物件を専門に買取を行う業者も存在します。

ここからは、おすすめの事故・自殺物件専門買取業者6社、

  1. 不動産買取アイコム
  2. 訳アリ物件売却相談所
  3. Kassy
  4. 事故物件買取.com(クリエイティブワークス)
  5. お困り不動産解決本舗(ハッピープランニング)
  6. 事故物件・訳あり物件情報センター

を紹介します。

1.不動産買取アイコム(東京都、埼玉県、横浜、千葉県、山梨県)

東京都江戸川区に所在地を持つ「株式会社ライフパートナー」が運営する、不動産買取アイコム。

事故・自殺物件だけでなく、孤独死やごみ屋敷となった物件の買取も行っています。

2.訳アリ物件売却相談所(全国対応)

創業31年を迎える「株式会社ランドメイト」が運営する「訳アリ物件売却相談所」。

家具等をそのまま、火災が発生してそのまま、再建築不可物件など、さまざまな種類の物件買取に対応しています。

兵庫県に拠点を置いているため、買取実績は関西エリアが中心です。

3.Kassy(東京、埼玉)

東京都杉並区に拠点を構える「アクセスホーム株式会社」が運営する「kassy」。

即日で審査を行い、その日の内に回答がもらえるというスピード感があります。

アクセスホーム負担で測量などの業務も行っていますよ。

4.事故物件買取.com(東京・神奈川・千葉・埼玉)

事故物件や訳アリ物件を専門に扱っている、事故物件買取.com。

平日10時から20時の間であれば電話での査定にも対応しており、ウェブでの査定依頼なら24時間受け付けています。

最短で48時間で現金化できるというから驚きですよね。

5.お困り不動産解決本舗(ハッピープランニング)[東京都・千葉県・神奈川県・埼玉県]

テレビ朝日や、Ameba TVなど、多数のメディア掲載実績を持っている、お困り不動産解決本舗。

対応エリアは東京の葛飾区がメインで、千葉県・神奈川県・埼玉県にも対応しています。

フリーダイヤルも用意されているので、問い合わせの際もお金はかかりませんよ。

6.事故物件・訳あり物件情報センター(東京・神奈川・埼玉・千葉)

TV TOKYOの「それってタブーですか?」にも紹介されたことのある「事故物件・訳あり物件情報センター」。

対応エリアは東京都、神奈川県、埼玉県、千葉県です。

また、24時間電話での対応を受け付けているので、いつでも相談できますよ。

 

~今月の人気記事~

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不動産査定サイトを使わないと大損をしてしまう理由と35サイト徹底比較

事故・自殺物件の告知義務について争った判例

続いて、過去に告知義務について争った裁判の事例について紹介していきます。

どういった条件の時に告知義務違反になり、どういった条件の時に告知義務違反に当たらないのか。

事故物件として売りに出すか悩んでいる人は、ぜひ参考にしてみてください。

判例ケース①一棟賃貸マンションの一室で自殺があったケース

賃貸マンションを一棟購入した買い主が、マンション内の一室で自殺があった事実を聞かされていないとして、損害賠償を求めた。

売り主と仲介業者は、警察に確認したところ「自然死」であるとの回答を得ていたので、自然死があった旨は買い主に伝えていた。

<結論>

売り主サイドは、警察への問い合わせを行ったうえで自然死と判断していたため、債務不履行などの責任には当たらない。

ただ警察への再調査の結果自殺であることが断定されたため、心理的瑕疵にあたることに違いはなく、損害賠償として600万円のみ支払うよう命じた。

<考察>

売り主側が自殺があったかどうかを知らない場合でも、正確な調査結果で認識違いがあれば、賠償請求が認められたケースです。

事実確認は決して曖昧にせず、断定的な確証が得られるまで調査することが重要になります。

また、自殺ではなく自然死の場合は、特に売却に影響を及ぼさないことが分かる判例でもあります。

参考:一棟売り賃貸マンションの自殺事故を説明しなかったとして売主等に対して行った損害賠償請求が棄却された事例

判例ケース②飛び降り自殺があったマンションのケース

マンションの買い主が、マンション工事中にエレベーターで転落事故死があったことを知り、手付金半額の返還と、遅延損害金の支払いを求めた事例。

売り主は、契約解除に伴って手付金の半額を返還することはできない旨を買い主に伝えたものの、買い主はその合意書を放置していた。

<結論>

買い主の要望はすべて棄却され、手付金の返還も遅延損害金の支払いも受け入れられなかった。

エレベーターの事故死は地下1階で発生したものであり、買い主の購入目的を果たせなくなるほどの影響はないと判断された。

そのため、通常通り手付金を全額手放す形で、売買契約の解除が行われた。

<考察>

今回の事案だけでなく、工事中の作業員が死亡した事案で手付金の返還を求めた判例はすべて棄却されています。

もちろん発生場所によっても判断は変わりますが、一つの参考として知っておくといいでしょう。

参考:建築中マンションの死亡事故を原因とした解約手付は、信義則等から半額相当であるとした買主主張が棄却された事例

判例ケース③家族との居住目的で購入したマンションで縊首があったケース

家族で居住用のマンションを購入したが、6年前に首吊り自殺があったことを聞かされていなかったため、契約の解除と損害賠償を求めた。

<結論>

自殺の事実を隠しての売却は心理的瑕疵に該当すると判断され、売買契約の解除と損害賠償も認められた。

<考察>

6年という期間が経過していても、自殺した物件に家族が居住用として住むことは現実的ではないという判断が下されました。

やはり、自殺が与える買い主のマイナスの印象は大きいといえるでしょう。

参考:自殺があった物件に瑕疵担保責任が認められたもの

判例ケース④飛び降り自殺があったマンションのケース

マンションを購入した買い主が、飛び降り自殺があった事実を事前に聞いていないとして損害賠償を求めた。

<結論>

売却した側の不動産会社は自殺があったことを知った上で販売したと判断され、2500万円の損害賠償が認められた。

2500万円の内訳としては、①購入時の代金の減額分、②得られるはずだった収益の減収分③精神的苦痛など総合的に判断されたもの。

<考察>

今回の購入者は賃貸で貸し出すためにマンションを購入していたため、購入時の金額だけでなく、賃料や利回りの低下まで踏まえて損害賠償額が決定しています。

居住用としての購入か、投資用としての購入かによっても違いがあることを押さえておくといいでしょう。

参考:マンションを販売した不動産業者に、当該マンションで飛び降り自殺があったことの説明義務があるとされ、慰謝料名目の損害賠償が命じられた事例

判例ケース⑤飛び降り自殺があったマンションのケース

売買契約の時に買い主が「事故・事件の有無」について確認をした、売り主は何もないと答えた。

しかし、7年前に強盗殺人が発生したことが判明し、買い主は損害賠償を請求した。

<結論>

売り主は何も起きていないという虚偽を働き、かつ強盗殺人は社会通念上相当の影響があると考えられることから、損害賠償として、1735万円+遅延損害金の支払いを求めた。

<考察>

裁判所が判断を下す際には「社会通念上」という言葉がよく使われます。

社会通念上「強盗殺人」は相当影響のある事件であったと判断されたことが、損害賠償額の大小にも関わってきています。

一口に誰かが亡くなった事案であっても、自然死や突発的な事故、自殺、殺人によって、物件に与える影響には違いがあることも覚えておきましょう。

参考:売買不動産について事件事故等の有無の買主質問に対し、約7年前の殺人事件を告知しなかった売主に不法行為責任が認められた事例

契約解除、賠償金の支払いに影響があるポイント

今回紹介した判例以外の契約解除や、賠償金の支払い額に影響を与えるポイントをまとめてみました。

もちろんそれぞれ単体だけで決まる訳ではなく、複数の要素が絡みあって決まるものというポイントを押さえておいてください。

契約解除、賠償金の支払いに影響があるポイント

事故・自殺が発生してからの年月

売り主が事故・自殺を認識していたか

事故か自殺か他殺か

事故・自殺が発生した場所

事故・自殺が発生した物件か、その土地に新しく建てられた物件か

事故・自殺発生後に、別の用途で使われていたり、別の居住者が住んでいた実績があるか

場所が地方か都会か

これらはあくまでも参考にしていただき、原則不動産会社に相談の上、買い主に誠実に伝えるという判断が賢明でしょう。

事故・自殺があったマンションを貸したい場合

「事故・自殺があったマンションを、売却ではなく貸し出したい!」という方も一定数いるかもしれません。

ただし、もし家のローンが残っている状態の場合であれば、原則人に貸し出すことはできないので注意しましょう。

もちろん、事故・自殺があった物件であっても、ローンが残っていない状態であれば貸し出すことは可能です。

売却の時と同じで、借主には事故・自殺の事実は告知する必要がありますし、借り手が付きづらいことに変わりはありません。

しかしローンが残っている場合、多くの人は住宅ローンを借り入れているはずです。

「住宅ローン」を借りた状態で賃貸に出してしまうと、銀行からローンの全額返済を求められることもあります。

理由は、「居住用」としてのローンと「賃貸用」のローンで、融資額や返済期間、金利が異なるからです。

ローンの種類によっては賃貸に出すこともできますが、一般的には「住宅ローン」から「アパートローン」等に切り替える必要があるので、十分気を付けて下さいね。

関連記事→住宅ローン残債ありのマンションを売却する3つの方法|一括返済・買い替えローン・任意売却

事故物件サイトの「大島てる」とは

日本だけでなく、世界規模の事故物件情報を閲覧できるサイト「大島てる」をご存知でしょうか?

現在は誰でも投稿可能な状態になっていて、具体的に事故、自殺等があった住所や部屋番号まで表示されます。

売却する立場の方で、告知すべきかどうか悩んでいる方は、「大島てる」に情報が掲載されていないか確認することをおすすめします。

もし売り主であるあなたが「告知義務」がないと考えても、あなたの物件を買い主が「大島てる」で見つけると、後々トラブルになる可能性もありますよ。

自分の物件が大島てるに掲載されていたら、掲載を止めさせられる?

もし、あなたの売却予定の物件が大島てるに掲載されていたら、掲載を中止させることはできるのでしょうか?

基本的に、事実である場合は掲載を削除することはできず、情報が誤っていた場合は削除するというスタンスをとっています。

物件をクリックするとコメントを残せるようになっているので、そこで削除の依頼をするといいでしょう。

事故物件の売却に関するQ&A

最後に事故物件を売却する際によくある質問について、いくつか回答しておくので、あわせて参考にしてください。

孤独死は事故物件扱いになるのか?

孤独死の場合であっても、事故物件の扱いになると考えるのが一般的です。

孤独死であっても人が亡くなったという事実は変わりませんから、告知せずに売却をすると、後になってトラブルになる可能性が高くなります。

事故物件の死因を偽るとどうなるか?

死因を偽っていたことが後で判明すると、買い主から損害賠償請求などを受ける可能性があります。

もちろん、その事実を知っている人が身内にしかいない場合などは、現実的に買い主に漏れ伝わる可能性は少ないですが、基本的にはありのまま告知をしておく方が、精神衛生上も良いのではないでしょうか。

自宅で自殺をはかり、病院で死んだ場合の告知義務はある?

居住者が通勤中に事故に遭って亡くなった場合や、体調不良で病院に運ばれた場合は、告知義務がないと考えるのが一般的です。

しかし、一度自殺をはかった事実があり、結果として死亡してしまっているのであれば、程度は低いものの告知義務に当たると判断するのが自然でしょう。

家でそのまま亡くなった場合と比べれば、売却時の値引き額の幅は比較的小さくすむと考えられます。

まとめ

今回の記事では、事故・自殺があった物件を売る際のポイントや注意点についてお話してきました。

特に気を付けるポイントは、物件で起きた事故や自殺が、「告知義務」にあたる事項かどうかという点です。

告知義務に当たらなければ通常価格で売りに出せますが、当たる場合は相場よりも大きく値を下げて売らなければいけません。

売り主としてはできるだけ告知せずに売りたいかと思いますが、その判断はできるだけ慎重に行って下さい。

一通り過去の判例を確認した上で、自分で判断せずに不動産会社にも必ず相談しましょう。

その上で問題がないと判断した場合は、告知せずに売却するというのも一つの判断です。

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