マンション売却の知識

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不要な不動産を市などの自治体に寄付する方法とは?その他の処分方法も紹介

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遠方にある使いもしない不要な不動産の処分は、実は簡単ではありません。

どうせ使わないのだから「安く売ればよい」と考えていても、利用価値の低い土地の買い手を見つけることは難しいものです。

不動産の状況によっては、売却するためにかかる費用の方が売却金額よりも高くなってしまうこともあるかもしれません。

また、「寄付」しようと考えても、受け入れてもらえない場合が少なくありませんし、寄付をするにも費用や税金がかかる場合も多いです。

そこで、この記事では、不要となった不動産を処分する方法について、不動産のプロである筆者が解説していきます。

「いらない土地・建物」の処分に困っている人はぜひ参考にしてみてください。

売却が難しい場合は、寄付の前に「買取」を検討しましょう

おそらくこの記事を読んでいるのは、一般的な売却方法で買い手がつかなかったか、とても買い手がつきそうにない古いor訳あり不動産を保有している人ではないでしょうか?

本来であれば、無料の上に受け入れ先を見つけるのが難しい「寄付」を選択するよりも、少額であってもお金が回収できる「売却」を選びたいはずです。

もし、売却で買い手が見つからなかった場合でも、「寄付」より先に不動産会社による「買取」を利用することをおすすめします。

不動産会社の中には、個人から直接不動産を買い取って、リノベーション等を実施した後に再販する業者が存在します。

たとえ古い不動産であっても、リノベーション後であれば買い手が見つけやすくなるので、不動産会社は古い不動産や訳ありの不動産でも買い取ってくれる可能性が高いのです。

不動産買取の場合は、不動産会社に支払う仲介手数料等が発生しませんし、リフォームや修繕をせずに、そのままの状態で買い取ってもらうことができるメリットもあります。

買取業者を選ぶ時は、必ず複数の会社から見積もりを取りましょう

買取業者を選ぶ時のポイントとして、「買取実績豊富な会社から複数見積もりを取る」ことが挙げられます。

買取業者もビジネスですから、少しでも安く買おうとして、査定額を低く提示してくる傾向があります。

そのため、1社だけに見積もりを依頼して、そのまま買取をお願いしてしまうのは危険です。

必ず複数の実績ある会社に見積もりを取り、最も良い条件で買い取ってくれる会社に依頼をしましょう。

とはいえ、いくつもの会社に見積もりを依頼して、何度も同じようなやり取りを繰り返すのは面倒なもの。

そこでおすすめしたいのが、三井のリハウスや住友不動産販売など、大手不動産会社6社にまとめて査定を依頼できるサービス「すまいValue」です。

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すまいValueは、「三井のリハウス」、「住友不動産販売」、「東急リバブル」の不動産売買仲介実績TOP3社を含めた、大手不動産会社6社にまとめて査定を依頼できる日本唯一のサービスです。

もちろん、すべての不動産が買取の対象になるわけではありませんが、「買取」を試す前に先に「寄付」を選択してしまうのはとてももったいないです。

また、会社によっても買取できる不動産の基準が異なるので、数社に「買い取れない」といわれたとしても諦める必要はありません。

もし、これまでに買取を検討したことがない人は、まずは複数社から買取の見積もりを依頼することから始めてみてください。

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また、より高値で早く売却したい方におすすめしたいのが、ソニーグループの「SRE不動産」です。

東証プライムに上場している「SRE不動産」は売却専門エージェントであるため、より高値で、より早期での売却が期待できるサービス。

売主と買主両方から手数料をもらう両手仲介と違い、完全に売主側に寄り添ったサポート&交渉を行ってくれるため安心です。

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不要な不動産の所有権を勝手に放棄することはできない

いまの日本の法律では、不動産の所有権を自由に放棄することはできません。

所有権には、権利の部分だけでなく義務の部分もあるからです。

権利の部分を使わないことは、たしかに自分の意思だけで自由に決めることができますが、義務の部分は「私には関係がない」と勝手に決めることはできません。

日本の民法では、「所有権は登記を備えなければ第三者に対抗できない」とされているので、権利行使や義務がないことを他の人に主張する(第三者に対抗する)ためには、「登記」にその旨が記載されなければならないのです。

たとえば、Aさんが持っている土地について

Aさん

わたしはこの不動産を使わないから所有権を放棄する!

と宣言としたとしても、そのことが「登記に反映されていない」のであれば、

Bさん

登記情報にあなたの名前が記載されているので、あなたの土地ですよね?

と責任を追及されたときに、拒むことができないとういうわけです。

不動産登記には、「所有権を抹消するだけ(所有権放棄)」の登記はありません。

したがって、土地の所有者としての義務を免れるためには、「土地を誰かに譲る(所有権移転の登記をする)」必要があるのです。

不要な空き家や土地を放置するとどうなる?

「この不動産はいらない」と思っていても、必要な手続きを経なければ、所有者としての義務からは解放されません。

不動産所有者の義務の典型は、「固定資産税の負担」です。

さらに、不動産の所有者には、その不動産を「(他人に迷惑をかけないように)きちんと管理しなければならない義務」もあります。

そのため、不要な不動産だからといって、放置してしまえば、

  • ・建物が倒壊したことで近所の人をケガさせてしまう
  • ・何かしらの理由で建物が失火する
  • ・庭などに害虫や悪臭などが発生する

といったトラブルに巻き込まれてしまう可能性もあります。

また、放火や窃盗といった治安に関するトラブルに巻き込まれることもあるでしょう。

「私が実際に住んでいるわけではないから関係ない」、「管理にかかる費用なんて負担できない」と考える人もいるかもしれませんが、実際にはそうはいきません。

「土地の工作物」が原因で他人に損害を与えてしまったときには、所有者には「無過失責任」が課される(所有者に落ち度が全くなくても賠償しなければならない)ので、責任から免れられることはないからです。

民法717条

1 土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。

2 前項の規定は、竹木の栽植又は支持に瑕疵がある場合について準用する。

3 前二項の場合において、損害の原因について他にその責任を負う者があるときは、占有者又は所有者は、その者に対して求償権を行使することができる。

引用:民法第717条 – Wikibooks

処分したい不動産を市などの自治体に寄付する具体的な方法

不要と感じている不動産の負担から免れるためには、他の人に不動産を譲り受けてもらうほかありません。

たとえば、その土地のある自治体に寄付することは、不要な土地を処分する方法として有効といえるでしょう。

自治体への申請方法

自治体に不動産を寄付する際には、それぞれの自治体の窓口に相談することからはじまります。

寄付の受け入れが可能な場合には、対象物件の調査が行われ、(その後の自治体の利用に)問題がなければ、必要書類を提出し、寄付の契約を締結し、登記の手続きが済めば完了です。

必要な書類

自治体に不動産を寄付するときには、自治体が寄付を受け入れるかどうかを判断するために必要な書類(資料)を自分で揃える必要があります。

一般的には、次のような書類が必要となります。

  • ・寄付の申出書(自治体に様式があるのが一般的)
  • ・公図(法務局で取得できる)
  • ・登記簿謄本(法務局で取得できる)
  • ・所有権移転登記の承諾書(自治体に様式があるのが一般的)
  • ・不動産の現況を撮影した写真
  • ・抵当権や地上権などの所有権以外の権利設定があるときにはその権利者の承諾書

上記の他、不動産の状況によっては追加の資料が必要となることもあります。

寄付をするにも費用が必要な場合がある

不動産を自治体に寄付するときには、費用がかかる可能性があります。

たとえば、登記にかかる費用や、そのための測量図面の作成にかかる費用は、こちらが負担しなければ寄付を受け入れてもらえない場合が多いでしょう。

不動産の面積などにもよりますが、測量費用だけでも、数十万円以上かかる場合もあります。

さらに、自治体によっては、建物(やその他の工作物)の撤去を寄付の条件としてくることもあります。

「寄付するのだから費用が全くかからない」ということはむしろ稀なので、注意しましょう。

寄付できる不動産と寄付できない不動産の違い

寄付をするには、「相手方の同意が必要」です。

したがって、こちらが不要と考えている不動産を「必ず寄付できる」というわけではありません。

たとえば以下の場合であれば、自治体としても不動産の寄付を受け入れる利益があるといえます。

寄付できる不動産

・すでに道路として供用している土地

・自治体の計画している公共事業に寄与できるような土地

・文化財などとして価値のある土地

・資産価値の高い不動産

他方で、次のような不動産は寄付することができない場合がほとんどです。

寄付できない不動産

・担保権が設定されていることその他これに準ずる事情がある不動産

・権利の帰属について争いがある不動産

・境界が明らかでない土地

・隣接する不動産の所有者その他の者との争訟によらなければ通常の使用ができないと見込まれる不動産

・他の土地に囲まれて公道に通じない土地で囲繞地(いにょうち)通行権の内容が明確でないもの

・借地権の目的となっている土地で、その借地権を有する者が不明な土地

・他の不動産と社会通念上一体として利用されている(利用されるべき)不動産

・共有物になっている不動産

・所得税法上の耐用年数を経過している建物(通常の使用ができるものを除く)

・敷金の返還に係る債務その他の債務を自治体が負担することとなる不動産

・管理または処分を行うための費用がその物件の価値と比較して過大となると見込まれる不動産

・公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある目的に使用されている不動産

・引渡しに際して通常必要とされる行為がされていない不動産

・地上権、永小作権、賃借権その他の使用及び収益を目的とする権利が設定されている不動産で暴力団などがその権利を有しているもの

・土壌汚染のある不動産

これらの不動産は、税金の物納の対象としても認められないものなので、自治体が負担を引き受ける可能性は極めて低いです。

また、寄付が「税金逃れのため」と判断されるようなケースでは、寄付は認められません。

市などの自治体にも寄付できなかった場合の4つの処分方法と費用や税金

不動産を寄付する相手としては、自治体以外にも隣地の所有者や近隣の法人(企業・学校・町内会)などが考えられます。

当然ですが、これらの場合にも費用や税金などがかかります。

➀個人に寄付する場合

隣地の所有者など個人に不動産を寄付する場合には、

  • ・契約書の作成
  • ・土地の測量
  • ・登記の手続き

の費用が発生します。

売買の際の境界確定測量は、20万円~40万円くらいが相場額といわれていますが、地域・土地の所在・面積によっては、さらに費用が高くなる可能性もあります。

また、契約書の作成、登記の申請を専門家(司法書士など)に依頼すれば、報酬も支払わなければなりません。

これら費用を「誰が負担するか」は、双方で話し合って決めるべきものですが、実際には「寄付をする側が費用を負担しなければならない」ことの方が多いのではないでしょうか。

土地を譲り受ける人は、贈与税を負担しなければならないからです。

不動産の寄付を受けたときにかかる贈与税は、土地の評価額から110万円の控除額を差し引いた金額に、所定の税率(10%~55%)を乗じた金額です。

たとえば、土地の評価額が300万円であれば、そこから110万円を引いた、190万円が贈与税の課税対象となり、贈与税額は19万円(適用税率10%・控除額なし)となります。

そもそも「不要な不動産を寄付する」というケースのほとんどは、「わたしとって不要なものだからどうかもらってほしい」という押しつけに近い場合といえます。

したがって、さらに「費用を負担して欲しい」とお願いできるケースはあまり多くはないのです。

➁法人に寄付する場合

地元の企業など法人に寄付をすることも、選択肢のひとつではありますが、簡単ではありません。

個人であれ法人であれ、「資産価値の低い不動産」を引き受けることは、メリットよりもデメリット(コストの増加)の方が高くなる場合が多いからです。

また、法人への寄付は、寄付する側にとってもデメリットが多くなることがあります。

法人への寄付では、「譲渡所得税」が寄付する側にもかかる可能性があるからです。

法人に不動産を寄付するときには、法人に「不動産を(評価額で)買い取ってもらいその購入代金を寄付(贈与)したことにする」という取扱いになり、「評価額が購入代金よりも高い」ときには、譲渡所得税が発生してしまうのです。

そのため、「不要な土地を他人に譲る」方法としては、自治体や個人への寄付よりもメリットが小さい場合が多いでしょう。

なお、公益法人や地縁認可団体(町内会などの組織のうち自治体から認可の手続きをうけているもの)への寄付であれば、譲渡所得税は免除となります。

➂値段を下げて売却する場合

いらない不動産だから「とにかく安くて良いから売ってしまおう」と考える人もいるかもしれません。

しかし、所有者が不要だと考えているような不動産は、多くの場合、他の人にとっても「あまり利用価値のない不動産」である場合が多いといえます。

不便な土地で暮らしたいと思う人はあまりいないですし、使い勝手の悪い土地であれば転売目的で買おうという人も少ないでしょう。

それよりも、税金やその他のコストの方が高くつく場合の方が多いかもしれません。

したがって、「周辺の地価よりも安い」というだけでは、土地の買い手を見つけることは難しいといえます。

➃不動産会社の「買取」を利用する場合

不動産を売ろうにも、買い手が見つからないことには、話しが進みません。

実際、売りに出してから半年、1年、2年と経過しても買い手が見つからないというケースは珍しくありません。

「どうせ使わないのだから、買い手が見つかるまでいつまでも待つ」と考える人もいるかもしれませんが、この間も、固定資産税を負担する必要がありますし、不動産の管理を行わなければなりません。

遠方の土地であれば「定期的に庭の雑草を刈りに行く」というだけでもかなりの負担となってしまいます。

そんなときに便利なのが「不動産会社による『買取』」の仕組みです。

不動産業者による「買取」には、次のようなメリットがあります。

  • ・不要になった不動産を業者が必ず買い取ってくれる
  • ・買取後に売却された場合でも「瑕疵担保責任」を追わなくて良い

つまり、「土地の購入希望者が現れるのを待つ必要がなく」、「その後の売買にも一切関知せず」に不動産を手放すことができるのです。

その反面、不動産業者による「買取」を依頼すれば、市場価格よりもかなり低い金額で不動産を手放すことになります。

「早く、確実に、後腐れなく不動産を処分できるかわりに、価格が安くなる」と理解しておけばよいでしょう。

その意味で、不動産業者に買取を依頼するときには、1円でも高く買い取ってくれる業者を探し出すことが重要です。

条件の悪い不動産を相続する場合は放棄するのも一つの手

親から「今後全く使う可能性のない不動産」を相続したときには、「相続放棄」を選択することもひとつの選択肢といえます。

相続放棄は、「不要な不動産を所有することを回避できる」最も確実な方法だからです。

しかし、相続放棄に際しては、次の点に注意する必要があります。

  • ・相続放棄は、「相続開始から3ヶ月以内」に申請しなければならない
  • ・相続を放棄するときには、「他の財産」も相続できない
  • ・相続財産管理人を定めなければならない

相続の放棄は、原則として「相続開始から3ヶ月以内」に家庭裁判所に申し立てをしなければなりません。

また、「相続放棄」は、「相続に一切関わらない」ことを申し立てることになるので、他の預金などがあるときでも相続することはできません。

「不動産だけを相続しない」という選択はできないということです。

さらに、相続放棄しただけでは、所有者としての義務は完全には免れられないことにも注意が必要です。

相続放棄をした場合でも「相続財産管理人」が定められる(登記される)までは、所有者としての義務は残ります。

自分で相続財産管理人となった場合には、相続を放棄した相続財産(不動産)を国庫に帰属させるための手続きを行わなければなりません。

相続放棄も「ノーコスト」で不動産を処分できるという手続きではないのです。

まとめ

不要な不動産の処分は、簡単ではありません。

自分にとっては不要だからと放置しておけば、税金だけでなく損害賠償という大きなリスクを抱えることにもなってしまいます。

所有者にとって利用価値の低い不動産は、他の人にとっても魅力的でない場合が多いです。

「寄付したい」と思っても、その相手も簡単には見つからないでしょう。

また、寄付を含めたいずれの方法でも、コストや税金も発生します。

自分では「不要」と感じている財産だからこそ、最も手間や費用のかからない処分方法をしっかり検討することが大切でしょう。

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