マンション売却の知識

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マンションは寿命が来たら建て替えor修繕?メリット・デメリットや本当の寿命、取り壊し費用についても解説!

 

マンションに住んでいる人

今住んでいるマンションは、かなり築年数が経っていて、不具合がかなり出てきてる・・・。

このまま修繕しながら騙し騙し住み続けていくのか、それともいっそ建て替えしてしまうべきか。

どうすればいいんだろう?

そういった疑問に答えていきます。

築年数が古くなってしまったマンションは、建て替える方が良いのか、それとも修繕して使い続ける方が良いのか、悩んでしまいますよね。

また、マンションの場合はあなた一人の判断で決めることもできない点ももどかしいポイントです。

特に建て替えとなると膨大な費用がかかるため、修繕とのメリット・デメリットを比較しながら判断していく必要があります。

今回の記事では、

  • ・マンションの実際の寿命
  • ・建て替えに伴う費用
  • ・マンションの建て替え・修繕のメリットとデメリット

等について、詳しく解説していきます。

もくじ

マンション(RC造)の寿命は100年以上?理論上と現実の3つの違い

国土交通省の「中古住宅流通促進・活用による研究会」の報告書によれば、理論的には、RC構造の集合住宅は一般的には120年、外装仕上げによっては150年は持つとされています。

しかしながら、実際に売買されている物件のほとんどは築年数が30年未満で、築年数が50年以上の物件が売買されることは滅多にないことも報告されています。

理論上は100年以上もつものの、古びてくると商品としての魅力が減ってしまうため、実際にマンションとしての商品価値があるのは20~30年というのが、現代日本のマンションの現状と言えるでしょう。

理論的な数値とリアルの乖離の原因は主に以下の3つです。

  1. 大地震によって建て替えの必要が出てくる
  2. 維持費用が上がり、新しく建て替えた方が費用対効果が良くなる
  3. 定期的な修繕ができておらず、劣化が早まる

それぞれ解説していきます。

①大地震によって建て替えの必要が出てくる

大地震が起こると、通常時であれば問題がなかった建物でもダメージを受けるため、建て替えの必要が生じることがあります。

特に危険なのは、1981年以前に建てられた旧耐震基準の建物です。

実際に旧耐震基準の建物は地震に対して弱く、地震が起こると倒壊や大破などの大きな被害が出やすいことが分かっています。

国土交通省が発表しているデータによれば、阪神淡路大震災の際に、旧耐震基準の建物の6割以上が、中小程度以上の破損が起こっていたことが分かります。

参考:住宅・建築物の耐震化に関する現状と課題|国土交通省

「有事が起こらなければ100年はもつ」と理論上は言えても、地震などの災害は予想ができませんし、南海トラフ地震など前例のない規模で自信が発生すれば、新耐震基準の建物でさえ倒壊に合う可能性はあります。

②維持費用が上がり、新しく建て替えた方が費用対効果が良くなる

古い物件は改修頻度も高くなるため維持費がかかります。

しかも、その費用や頻度は年々高まりますから、ほとんど価値のない家を高いお金をかけて維持し続けなければいけない状態が生まれます。

どうせ費用負担がかかり続けるのであれば、新しく立て替えた方が設備や耐震性も改善し、売却もしやすくなるなどのメリットがあるのです。

特に新しい住宅は熱効率が高いことが多く、冷暖房費を節約できるため、生活費を安くできる等の恩恵も受けられます。

「維持しようと思えばできる」=「維持すべき」ではないことが、理論と現実の違いを生み出しているわけですね。

③定期的な修繕ができておらず、劣化が早まる

まったく同じ構造のマンションが2つあったとしても、建てた後のメンテナンスの実施状況によって、寿命は大きく変わってきます。

長期修繕計画に則ってきちんと修繕積立金がたまっていないと、マンションの寿命はより縮まってしまうのです。

国土交通省のデータを見ても、年数が経過したマンションほど「空き家化」「高齢化」が進むことが分かっています。

参考:マンションの再生手法及び合意形成に係る調査|国土交通省

高齢者の中には年金暮らしの人も多く、毎月の修繕積立金や管理費を滞納する人も多くなってきます。

さらに、空き家率が増えると、修繕積立金を積み立てる人の母数が減るので、一人当たりの費用負担がさらに大きくなってしまいます。

十分な修繕積立金が用意できないため改修ができず、さらに建物が古く劣化し、人が離れていくというマイナスのサイクルに入ってしまうのです。

適切なメンテナンスが行われないマンションの劣化はさらに早まり、理論上の寿命よりも実際の寿命が短くしまいます。

日本初の分譲マンション「宮益坂ビルディング」は63年で建て替え

日本初の分譲マンションは、東京・渋谷駅から徒歩数分の宮益坂ビルディングです。

11階建てのマンションは当時の建物の中で抜きんでており、超高級マンションとして知られていました。

(エレベーターには、エレベーターガールが乗っていたほど)

そんな宮益坂ビルディングは1953年に建てられから63年後の2016年に建て替え工事が実施されました。

↑建て替え前

↑建て替え後の完成予想図

参考:宮益坂ビルディング|一般社団法人 再開発コーディネーター協会

一番古い分譲マンションが63年で建て替えになったので、マンションが100年以上持つことを実際に証明できる物件は存在しないというわけです。

鉄筋コンクリート住宅の先駆け「同潤会アパート」も84年で取り壊しに

関東大震災で大きな被害を受けた東京で、新たな住宅の形を追求する形で建設された「同潤会アパート」。

鉄筋コンクリート住宅の先駆け的存在だった「同潤会アパート」は、現時点ではすべて解体されています。

現在は表参道の有名スポットである「表参道ヒルズ」も、以前は同潤会青山アパートとして長年愛されていました。

最後まで残っていた「上野下アパートメント」も、2013年に解体が開始し84年の歴史に幕を下ろしました。

名前はアパートメントとなっていますが、一般的には3階以上の鉄筋コンクリート造の建物をマンションと呼ぶことが多いので、日本で最長の歴史を誇るマンションと呼んでも差し支えは無いでしょう。

いずれにしても「マンションの寿命=100年以上」を証拠づけられる物件は現時点で日本には存在していません。

100年以上の寿命を持つといわれる長期優良住宅とは?

これまで、日本の住宅市場は「新築至上主義」が続いてきました。

しかし、少子高齢化が急速に進んでいる日本においては、新築の供給が増えすぎること=空き家の増加に直結します。

そこで政府は、新しいものを建てて壊すのではなく、しっかりとした構造の住宅を作って、メンテナンスをしながら長期的に使用していく方針を建てたのです。

そういった背景から生まれたのが長期優良住宅

長期優良住宅とは、名の通り長期的に住宅の性能を維持し続けられるだけのクオリティと、継続的なメンテナンスを行っている住宅を指します。

長期優良住宅として認められるために必要な9つの項目

長期優良住宅として認められるためには、下記の9つの項目を満たしていることが求められます。

長期優良住宅の9つの項目

1.劣化対策・・・構造の使用可能期間が100年を超えていること

2.耐震性・・・耐震基準の1.25倍(耐震等級2)以上を備えていること

3. 維持管理・更新の容易性・・・構造そのものに影響なく配管等のメンテナンスができること

4. 可変性・・・将来的に間取りを変更しやすい構造になっていること

5.高齢者等対策・・・廊下や階段のスペースなど高齢者が住みよい構造になっていること

6.省エネルギー対策・・・断熱性能4以上を有していること

7.居住環境・・・エリア周辺で将来的に行われる開発の中身と調和がとれていること

8.住戸面積・・・戸建ての場合は75㎡以上であること

9.維持保全計画・・・将来的に、少なくとも10年のスパンで点検・修繕するめどが立っていること

上記を満たしている住宅を建てる段階で、着工前に行政に申請の必要があるので気を付けましょう。

長期優良住宅に申請するメリット・デメリット

長期優良住宅に認定されることのメリットは、なんといっても財政面での優遇です。

登録免許税(所有権保存、所有権移転、抵当権設定登記)、住宅ローン減税、投資型減税などが低い税率に代わります。

(※不動産取得税や固定資産税の優遇策は、2018年3月で終了しています)

デメリットとしては、建築の際の費用が高くなることと、長期的なメンテナンス費用が掛かることです。

認定を受けることによるメリットとデメリットをあなたのケースで天秤にかけ、最終的な判断をするようにしてください。

マンションの法定耐用年数と寿命は関係ありません

マンションなどの建物は構造と用途によって耐用年数「法定耐用年数」が定められており、住宅用のマンションにおいては、RC造は47年、鉄骨造は34年、木造22年となっています。

勘違いしている人が多いのですが、これらの法定耐用年数は寿命との関連性はなく、耐用年数を過ぎたからと言って使用できなくなることはありません。

法定耐用年数はあくまでも、法律上・税制上のルールとして定められているものであることを覚えておきましょう。

法定耐用年数はどういった時につかわれる?

法定耐用年数は、住宅の寿命とは関係は無いのですが、不動産投資家などが経費として計上する際に重要なポイントになります。

不動産の購入金額は高額になるため、一度に経費計上することができません。

そこで、購入金額を法定耐用年数で割った額を「減価償却費」として経費計上することが税制上決まっているのです。

参考:国税庁「建物の耐用年数表」

居住用の中古マンションを買う時にローンの返済期間に影響する

法定耐用年数は、経費計算の側面だけでなく、中古の住宅を買う際にも重要な意味を持ちます。

なぜなら、銀行からの融資は法定耐用年数から築年数を引いた残存耐用年数より長く融資期間を提示しないから。

例えば住宅用のRC構造で築15年経過したマンションを購入する場合、法定耐用年数は47年ですので47-15=32年以下のローンしか組めません。

もちろん、返済期間が短いということは発生する利息が少なくなることですので、長い目で見ればお得ということでもあります。

しかしながら、毎月の返済額は高くなりますので、返済負担が高くなるデメリットもあります。

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寿命が来たら建て替え?修繕?メリット・デメリットまとめ

ここからは、マンションを建て替える場合と修繕をする場合のメリット・デメリットについてお話しておきます。

まずは、建て替え・修繕のメリット・デメリットを表にしてみました。

建て替え 大規模修繕
メリット ・耐震性が最新の基準に対応する
・設備が最新のものになる
・省エネ効率があがる
・セキュリティの安全性が高まる
・売却しやすくなる
・建て替えと比べて低額で実施できる
・住みながらでも実施できる
・耐震性や設備、劣化状況を部分的に改善できる
・数か月で工事が完了する
デメリット ・期間が数年にわたってかかる
・一時的に別の住まいを用意する必要がある
・費用面が修繕よりも高額になる
・建物や設備の古さ自体は変わらない
・売却時に買い手が付きづらい

 

双方にメリット・デメリットがあることが分かると思います。

ただし、両方の一番大きな違いは、「修繕は建て替え・取り壊しの先延ばしにすぎない」ということです。

修繕をしたからといって、一生住み続けることはできず、最終的には建て替え・取り壊しをする必要がでてくるので。

それでは、ここから上記で挙げたメリット・デメリットをより詳しく説明していきます。

マンションを建て替えることのメリット

配管の劣化や古い建物特有のにおい、外観の劣化などの問題は、マンションを建て替えてしまえばすべて解決します。

また、劣化による問題点だけでなく建物自体の問題点、例えば「玄関ホールが狭い」ことや「エレベーターの台数が少ない」などの常々住民から苦情が多かった問題点も建て替えの際に改善できます。

しかも、建物を新築にすることで資産価値は高まりますので、マンションを売って引っ越しをしようと思っていた人にとっては買い手が早くつくというメリットがあります。

マンションを建て替えることのデメリット

マンションを建て替えることの最大のデメリットは、多額の解体費&建築費がかかるということです。

マンションを建てる費用だけでなく現在のマンションを壊して更地にする費用もかかりますので、通常のマンションを購入するのと同程度~それ以上の金額がかかることもあります。

また、建て替え工事中の住居を準備しなくてはならないという点もデメリットです。

工事期間中に家を借り、工事終了後に戻ってくるわけですから、少なくとも2度の引っ越しをしなくてはなりません。

引っ越しは心身ともに負担が大きいイベントですし、少額ではない費用が掛かる点もデメリットとなります。

MEMO

国土交通省のデータによれば、実際に建て替えの実施に至ったマンションは、たったの237棟。

参考:マンション建替えの実施状況|国土交通省

先ほどは費用面での負担について話しましたが、他にも

・容積率が基準を満たしていない

・仮住居を確保できない

・近隣住民から理解を得られない

などのハードルから、建て替えを始められないケースも多いです。

マンションを修繕して維持するメリット

良くない部分だけを修繕して維持するなら、建て替え工事よりも大きく費用を抑えられます。

しかも、大抵の修繕工事は居住したまま実施できますので、引っ越しの手間や費用が掛からない点もメリットです。

また、外観や玄関ホールなどの外部から見える部分を修繕するなら、マンションの見た目の印象が大幅に良くなります。

修繕後に売却を考えている場合は、買い手がつきやすいというメリットもあるでしょう。

マンションを修繕して維持するデメリット

修繕工事をしたからといって、マンションの寿命を劇的に延ばすことはできません。

近い将来、再び「修繕か建て替えか」という議論が起き、いずれは建て替えや取り壊しを選択することになります。

また、工事中は音がうるさくなったり、建物全体にメッシュシートをかけられて室内が暗くなったり、洗濯物をベランダで干せなくなったりと、不便を感じることも多いでしょう。

しかも、修繕によるメリットがあまり感じられないときは、「工事費を支払っても、うちには恩恵が少ない」と不満に感じるかもしれません。

 

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マンションの建て替えにかかる費用はどのように決まる?

マンションの建て替えにかかる費用は、入居者の数や建物の規模などによっても大きく変わってきます。

また建て替えを進めていく過程で、様々な費用がかかってくるのです。

一般的な相場価格でいうとマンションの1部屋当たり1000万~2000万円の負担になることが多いです。

建て替えにかかる費用はどのようにして決まるのか?

建て替えの際にかかる費用を知るカギになるのが「還元率」です。

還元率とは、新しく建設されるマンションのうち、無償で取得できる床面積を、建て替えを行う前のマンションで所有していた床面積で割ったもの。

例えば、もともと50㎡の部屋に住んでいた人が、新しいマンションでも50㎡分の部屋を取得できると仮定すると、

50(新しく取得した床面積)÷50(以前所有していた床面積)×100=100

となり、還元率は100%となります。

つまり、まったく同じだけの広さの部屋を費用負担なしで手に入れられるのです。

しかし、新しいマンションの30㎡分の部屋しか取得できなければ、

30÷50×100=60

となり、還元率は60%となります。

「新しいマンションは30㎡の部屋でもかまわない」といった場合の費用負担はありませんが、元と同じ50㎡の広さに住みたいと思ったら、面積の差額分を自己負担で賄わなければいけません。

還元率はどのように決まるのか?

還元率は下記の4つの要素で決定します。

  1. 元のマンションの総専有面積
  2. 新しいマンションの総専有面積
  3. 新しいマンションの全体の価格
  4. 建て替えにかかった総費用

それぞれの値を仮に下記のように設定して、還元率を求めてみます。

  • 元のマンションの総専有面積・・・5,000㎡
  • 新しいマンションの総専有面積・・・10,000㎡
  • 新しいマンションの全体の価格・・・100億円
  • 建て替えにかかった総費用・・・50億円

 

上記の条件であれば、新しいマンションの㎡単価が100億円÷10,000㎡=100万円であることが分かります。

建て替えに50億円の費用が掛かっているので、建設業者に対して半分の5000㎡を売却することで代金を支払います。

残った5000㎡が以前の住人で分配できる面積なので、

5000÷5000×100=100

となり、還元率は100%になります。

参考:還元率はどう決まる?|ダイワハウス

実際は建て替え後のマンションの方が面積が小さくなることが多い

上記の例では、還元率は100%でほとんど費用負担が発生しません。

しかし、一般的な建て替えでは、建て替え前のマンションよりも面積は大きくなるどころか小さくなることが多いです。

なぜなら、日本のマンションの大半は容積率をいっぱいに使って建築されているので、建てられても同じ大きさ、別の法律に引っかかると以前より小さくなってしまいます。

建て替え後も以前の居住者が住む場合、スペースが余らないため、新しい居住者を募って売却することができません。

建物の一部を新しい居住者に売却する形で建築費用を支払えないと、入居者負担で建築費を賄わなくてはいけません。

結果として、1000万円~2000万円の費用負担を発生するケースが多く、なかなか建て替えに踏み切れていない管理組合が多いわけです。

マンション建て替えの検討から実施までの流れ

ここからは、実際にマンションの老朽化に直面してから、マンションを建て替えて再入居するまでの流れを詳しく解説します。

流れは大きく下記の8STEP。

  1. 建て替えを検討する委員会を設置する
  2. 建て替えを計画することへの合意を得る
  3. 建て替えを依頼する事業者を募る
  4. 建て替えを実施することへの合意を得る
  5. 建て替え組合を設立する
  6. 建て替えの計画を具体的に決める
  7. 入居者の個別対応
  8. 現在のマンションの建て替え実施
  9. 再入居・新しい管理組合の設置

それぞれ説明していきます。

STEP①建て替えを検討する委員会を設置する

委員会を設置した後は、実際にマンション住民へのヒアリングを実施します。

老朽化マンションの対策として、建て替えや修繕、改修等どの方法をとるのがベストなのかを探っていくのがこのSTEPです。

STEP②建て替えを計画することへの合意を得る

建て替えを前向きに検討していく方針になった場合、建て替えについて計画を進めていく旨の合意形成を得る必要があります。

合意形成が得られれば、計画を立てていくためのチームを作り、実際に予算をいくらにするのかを決めていきます。

STEP③建て替えを依頼する事業者を募る

マンションの建て替えには、不動産の法律に関する問題が多数発生します。

まずは、予算や建て替え後のマンションのイメージを明確にし、そのイメージを実現できる事業者を集めましょう。

実際には、いきなり1社に依頼をするよりも、複数社のコンペを経て事業者を決定するケースが多いです。

会社にもよりますが、建て替え業者はマンション住民への合意形成を得るタイミングからサポート・アドバイスしてもらうことができます。

STEP④建て替えを実施することへの合意を得る

実際に建て替えをすることが決まったら、マンション住民の3分の2以上の賛成を得る必要があります。

※2016年までは住民の5分の4(=80%)以上の賛成を得る必要がありましたが、都市開発法の改正で条件を満たせば3分の2(=66%)の賛成で建て替えを進められるようになりました。

一方的に建て替えを押し進めても3分の2の合意は得られないので、しっかりと話し合いの場を設けた上で、理解を得ていくことが重要です。

MEMO国土交通省が、マンションの建て替えで合意を得るまでのマニュアルを公開しています。

とても細かく・具体的に説明されているので併せて参考にしてみてください。

参考→建替え決議までの合意形成の進め方に関するマニュアル|国土交通省

STEP⑤建て替え組合を設立する

3分の2以上の賛成を得て建て替えが決まった後は、実際に業者と建て替えを推し進める組織を作る必要があります。

この際気を付けてほしいのは、建て替え組合と管理組合は異なる組織であるということです。

建て替え組合は法人格を持ち、建て替えに伴う発注や建て替えに必要な資金の借り入れなども行います。

これまでの修繕積立金は清算して居住者に返還する

建て替えが決まった時点で、管理組合に残っている修繕積立金は意味を持たないため、清算をしなければいけません。

清算された修繕積立金は、建て替えに賛成したか否かにかかわらず、これまでの負担割合に応じて返金されます。

STEP⑥建て替えの計画を具体的に決める

具体的に、建て替え後のマンションの設計について取り決めを行い、近隣住民や地方公共団体と話し合いながら進めていきます。

場合によっては、建て替えに対して補助金が出るケースもあるので、活用できる制度がないか確認しておくことも重要です。

建設を進めていくうえで、法規制やルールもしっかりと把握しながら、のちにトラブルにならない計画を立てましょう。

建て替え業者にも協力を依頼しながら、建て替え期間中の仮住まいを用意することも重要になります。

STEP⑦入居者の個別対応

また、3分の2の合意が得られても、一部の人は建て替えに反対する人や、物理的に費用負担ができない人もいるはずです。

建て替え組合は、建て替えに参加しない人達から事前に土地・建物の権利を売り渡すよう請求する必要があります。

参加の意欲があっても費用面で厳しい人に対しては、事業者と協力しながら資金調達をサポートすることも重要です。

自分の不動産を担保に入れてお金を借りるリバースモーゲージ制度や、建て替え後の一部を事業者に売却することで建設費用を減らすなどの対策を打ちましょう。

また、住民によっては建て替え期間中の仮住まいを確保できないこともあるので、賃貸住宅をあっせんするなどのフォローも必要です。

STEP⑧現在のマンションの建て替え実施

計画や関係各所とのやり取りを進め、いよいよマンションの建て替えを実施します。

建て替え期間中は住民は仮住まいに移動しておく必要があります。

STEP⑨再入居・新しい管理組合の設置

建て替えが完了した後、再度新しいマンションに入居します。

この際に、かならず新しい管理組合の設置も行い、晴れて建て替え終了になるわけです。

マンションの建て替え業者5選

いざ、マンションの建て替えをするタイミングになると、どんな不動産業者に依頼をすればいいのかわかりませんよね?

一般的な駅前にある不動産会社は、賃貸や売買の専門であり建て替えには対応していないことがほとんどです。

ここからは、マンションの建て替えを実施している業者を紹介します。

紹介するのは以下の5社。

  1. 丸紅
  2. 伊藤忠都市開発
  3. 東京建物
  4. 長谷工コーポレーション
  5. 穴吹グループ

それぞれ解説していきましょう。

丸紅

マンションを50年以上創ってきた、総合商社丸紅。

マンションの建て替えを請け負えるとなると、やはり一定以上の企業規模が必要になってきます。

総合商社ならではの幅広いネットワークを活用することで、企画・設計から引き渡しまで一貫して対応可能です。

伊藤忠都市開発

全国に先駆けてマンション建て替え事業の認可を獲得している「伊藤忠都市開発」。

こちらも総合商社「伊藤忠商事」のグループ会社として、幅広いネットワークを活用した建て替えが可能です。

イトーピア桜新町グランピースや、クレヴィア恵比寿など、6棟の建て替え実績を誇ります。

東京建物

不動産大手の東京建物も、マンションの建て替え事業に参入しています。

東京建物が建て替えを行ったBrillia多摩ニュータウンは、建て替えが行われた民間分譲マンションの中で、もっとも総戸数の多いマンションでした。

他にも、Brillia小金井桜町、Brillia駒込六義園、レジデンス百道など、数多くの建て替えを手掛けています。

長谷工コーポレーション

不動産売買実績でもトップクラスを誇る長谷工コーポレーション。

マンションの建て替え実績は35件にも及び、これまで日本で行われたマンション建替えの10パーセントほどを長谷工コーポレーションが手掛けています。

修繕・改修の実績も53万戸ほどの実績があるため、建て替えか修繕で悩んでいるタイミングで相談するのも一つですね。

あなぶきグループ

あなぶきグループは、24時間365日無料での建て替え相談を受け付けています。

実際にマンションを訪問した上での相談や、建て替えを行うかどうかの検討段階でも、説明の資料を無料で用意してくれるので、まずは相談してみるのも一つでしょう。

また、検討段階で「建替えの進め方」の資料も無料で配布していますよ。

実際にマンションの建て替えを実施した人の口コミ・評判

続いて、実際にマンションの建て替えに踏み切った人達の体験談・口コミを紹介していきます。

建て替えを経験した人

ウチのマンションは、東日本大震災の際に被害にあって、建物の数か所に亀裂が入っていたんです。

次に同じような地震が来たら危ないかもしれない。

それが住民のみなさんの共通見解でした。

ただし、実際に建て替えを検討する段階に入って、10億円くらいの費用がかかることが分かりました。

住民全員で支払うといっても、とてもそのようなお金が余っている人は少数です。

ここからは、マンション住民の意見をまとめるのが大変でした。

ただ、建て替えさえしてしまえばこれまでより快適になるし、地震の心配もない。

売却する場合も高値で売りやすいといったメリットを説明していくことで、何とか一定の賛成を得ることができました。

建て替えを経験した人

私が住んでいたのは、都内でも有数の立地にある築古マンション。

築35年ごろになって、住民の中から改修をしようという声が出始めました。

実際に改修の試算を出してみると、数億円もの費用がかかることがわかったんです。

改修だけにそこまでの費用負担はできないと悩んでいたところ、相談をしていたディベロッパー業者から「等価交換事業」の提案をもらいました。

新しく建てる建物の一部をディベロッパー業者に渡す代わりに、低予算で建て替えができることを知り、建て替えを決意しました。

やはり、住民のみなさんからは建て替え反対の声が多くあったのですが、これまで借地権だったものが所有権に代わることなど、しっかりとメリットを説明していくことで、徐々に納得する人を増やすことができました。

今では新しい建物にみな満足していますよ。

やはり。建て替えの合意形成に苦労した人が多いですね。

ただし、建て替えにはたくさんメリットもあるので、しっかりと建て替えの良さを訴求していくことが、合意形成を成功させるカギになりますね。

一番負担が少ないのは売却して住み替えをすること

マンションを建て替えると解体・撤去・建築の3つの過程が必要となるため、金銭的な負担はおおきくなります。

また、修繕しても寿命は大きく引き延ばせないため、いずれは建て替えなくてはなりません。

しかも工事中は不便な生活を強いられますので、騒音や暗さで精神的にも大きなダメージを受けることがあります。

建て替えにも修繕にもそれぞれメリットはありますが、デメリットも非常に多いのが実際のところです。

金銭的にも精神的にももっとも負担が少ないのは、古くなった建物を売却して新しいマンションに住み替えることです。

築古マンションは安く見積もられることが大半

修繕か建て替えを検討するほどのマンションですから、すでにかなりの年数が経過しているはずです。

立地や修繕の状況にもよりますが、マンションの査定額はかなり低く見積もられる覚悟をしておきましょう。

ただし、築古マンションを少しでも高く売却する方法があります。

それは、複数の不動産会社の査定額を比較した上で売却することです。

1社の査定額を鵜呑みにすると300~500万円安く売ってしまうことも

売りたい人

どうせ古いマンションだから、大した値段では売れないかな・・・。

とりあえず近くの不動産会社に売却を依頼しよう。

このように、最初から売却を依頼する不動産会社を1社に絞るのは非常に危険です。

なぜなら、不動産会社の査定額は会社によって大きく異なるから。

たまたま入った近くの不動産会社に、

このマンションであれば、査定額は2700万円あたりですね。

不動産屋さん

と言われたとしましょう。

しかし、不動産のプロではないあなたは、この金額が妥当かどうか判断することができませんよね?

査定額を鵜呑みにして2700万円を基準にし、売り出し価格を決めてしまう。

上記のような過ちを犯して数百万円をドブに捨てている人は少なくありません。

不動産一括査定サイトを活用すれば、ネットからまとめて査定の依頼ができます

大切なのは、不動産一括査定サイトなどを活用して、複数の査定額を比較すること。

複数の不動産会社から見積もりを取ることによって、査定額の相場が見えてきます。

上記の例でいえば、

売りたい人

とりあえず、3000万円前後では売れそうね。

B不動産とC不動産に詳しく話を聞いてみようかな。

といった風に、客観的に査定額を比較できるものさしができるのです。

自分で複数の会社に別々に査定依頼をかけてもいいのですが、わざわざ店舗に出向いたり、何度も同じような査定フォームに入力する手間がかかります。

最近主流になりつつある不動産一括査定サイトを活用すれば、家からでもまとめて複数社に査定依頼ができるのでおすすめです。

不動産一括査定サイトを活用するならHOME4Uがおすすめ

売りたい人

不動産一括査定サイトというサービスを使えば、カンタンに査定ができるのね。

でも、具体的になんて言うサービスを使えばいいの?

不動産一括査定サイトは40種類以上あるので、どのサイトを活用するかで悩む人が多いです。

筆者のおすすめは、NTTデータグループが運営する日本初の一括査定サイトHOME4U

住友林業ホームサービスや、三井住友トラスト不動産、東京建物などの大手不動産を含めた1300社と提携しているので、安心感は抜群です。

NTTデータが運営していることもあって、個人情報の管理も徹底されていますよ。

もし、HOME4U以外の査定サイトを比較したい人がいれば、下記の関連記事で詳しくまとめているので、併せて参考にしてください。

関連記事→不動産一括査定サイトのおすすめ5選+評判の30サイトを紹介!【総まとめ】

買い手が付きづらい中古マンションは買取も検討に

古くなった建物を売って状態の良い建物を買うのが金銭的・精神的にも負担の少ない方法ですが、古くなった建物にかならずしも買い手がつくとは限りません。

買い手がつかないまま時間が経過すると、さらに建物は古くなって資産価値を落としますので、そのまま保有して建て替えや修繕の時期を待ちましょう。

保有している間に再開発地域の対象になり、資産価値が上昇することもないとはいえません。

どうしても売れないときに慌てて二束三文で売り払うのではなく、不動産業者とも相談しながら、ベストの売り時期を見計らってくださいね。

関連記事→マンション買取おすすめの業者や査定の依頼方法、相場の調べ方やメリット・デメリットも解説!

まとめ

マンションの寿命は管理状態に大きく左右されますので、寿命を延ばすためにも、また、資産価値を高めるためにも丁寧に管理することが大切です。

建物が古く建て替えか修繕かで迷うような状態のときは、売却して別の物件を購入する方が負担は少ないと言えるでしょう。

売却するときは、業者によって買取価格が大きく異なりますので、慎重に買い取り業者を選ばなくてはなりません。

不動産一括見積もりサイトを活用して、手間をかけずにお得に買い取ってくれる業者を探しましょう。

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