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実家売却の5つの鉄則をプロが解説!~相続や税金、確定申告や老人ホームへの親の入居費用についても解説!

 

売りたい人

両親が二人とも老人ホームに入ることになった。

実家を売却する予定だけど、自分の家を売却する時と比べて何か違いはあるのかな?

手続きや費用、税金など気を付けるポイントについて知りたい。

そういった方の疑問に答えていきます。

前提として、子供であっても両親の家を勝手に売却することはできません

両親がまだ健全なのであれば、売却の同意を得たのち、「代理」で売却することは可能です。

もし、認知症など判断能力が低下している場合は、「成年後見制度」を活用して売却する他ありません。

今回の記事では、

  • ・「代理制度」「成年後見制度」の概要
  • ・売却時のローン残債について
  • ・税金や控除について

などを、不動産のプロの目線で詳しく解説をしていくので、ぜひ参考にしてください。

また、実家の売却を検討している人の中には、

売りたい人

実家を早く処分したいけど、築年数が古いし、田舎の家だから買い手がつくか心配・・・。

と感じる人も多いはずです。

事実、人口減少が進み、特に地方の人口減少は深刻な問題になっています。

通常の不動産会社に売却を依頼する「売買仲介」の形をとると、半年間・1年間たっても売れず、結局買い手がつかずに時間と手間だけを無駄にしてしまう可能性が高いです。

そこでおすすめしたいのが、仲介による売却ではなく、不動産会社に直接「即金買取」をしてもらう方法です。

不動産会社の中には、不動産を個人から買い取って、リフォームやリノベーションを実施したのちに、再販する会社もあります。

普通に売却すると1年以上買い手がつかないような不動産であっても、不動産会社の買取であれば、1か月以内で現金化できるようなケースも少なくありません。

買取価格は、一般的な売却よりも2割程度下がってしまうデメリットはあるものの、仲介手数料を払う必要がなかったり、修繕・リフォームをせずにそのままの状態で買い取ってもらえるなどのメリットもあるのでおすすめです。

買取を利用する際には、必ず複数社から相見積もりを取りましょう

買取を利用する際に必ず実施して欲しいことが、「複数の買取業者から相見積もりを取ること」です。

「不動産買取会社の査定額=売却価格」ですから、少しでも高い条件で買い取ってくれる業者に依頼することをおすすめします。

しかし、いくつもの会社に何度も査定を依頼するのは面倒ですよね?

しかも、すべての不動産会社が買取には対応していないため、買取に対応している不動産会社に絞って探すのも一苦労です。

そこで活用して欲しいのが、「三井のリハウス」や「東急リバブル」、「住友不動産販売」など買取にも対応している大手6社にまとめて査定を依頼できる「すまいValue」です。

すまいValue

不動産業界をけん引する大手6社にまとめて査定の依頼ができるので、最終的にもっともよい条件で買ってくれる業者を選ぶといいでしょう。

スマホやPCから3分もあれば依頼はできますし、査定を依頼したからといってしつこい営業活動をされる心配もありません。

通常の売却で時間も手間もかけて結局買い手がつかなくなるくらいなら、売却金額が少なくなっても最初から買取を選ぶのも一つの選択肢です。

不動産一括査定サイト「すまいValue」の公式サイトはこちら⇒

買取に関しての詳しい内容は、下記の記事で詳しく解説をしているので、ぜひ参考にしてください。

関連記事→マンション売却は買取と仲介どっちがいい?買取の流れから高く売るポイントまで

前置きが長くなりましたが、ここから実家を売却するための5つの鉄則を解説していきます!

もくじ

親の実家を売却する際の鉄則①代理か成年後見人制度を利用して売却の手続きを始める

冒頭でお伝えした通り、両親の家とはいえ勝手にあなたが売却することはできません。

通常であれば、所有者である親自身が売却をします。

ただ、健康状態などの理由があって、親だけで売却の手続きができないケースもあるでしょう。

その場合に利用できる方法が下記の2つです。

  1. 親の代理として売却する(親の判断能力が低下していない場合)
  2. 成年後見人制度を利用して売却する(親の判断力が低下している場合)

それぞれ解説していきます。

親の代理として売却する(任意代理)

身体の状態は悪くなっているけれど、判断はしっかりできる親の場合は、親から同意を得て「代理」で売却しましょう。

「代理」で売却するおおまかな流れは以下の通りです。

代理売却の流れ

①所有者である親が同意をした上で、代理人(子供)を決める

②どの物件の売買を売却するのか、売買の権限をどこまで代理人に任せるのかを委任状に記す

③代理人は買い主との売買契約時に下記の持ち物を持参して、売却を行う

・委任状

・親と代理人の印鑑証明書

・親と代理人の本人確認書類

上記の流れで分かり辛いのが②かと思います。

前提として、委任状には決められたフォーマットはなく、

  • ・売却する不動産の詳細
  • ・誰から誰に権限が委譲するのか
  • ・どんな権限を委譲するのか

など、「誰が、誰に、何の権限を、どの範囲まで委任するのか」を明確にしておけばOKです。

例えば、購入希望者から値下げの要求をされた場合。

代理人に値下げに応じる権限を渡すのか、一度親を通すようにするのかを決めておく必要があります。

他にも「瑕疵担保責任の範囲はどこまでにするのか」、「引き渡しはいつにするのか」など重要な決定事項を判断する権利についても決めておきましょう。

代理での売買は、親子関係であってもトラブルになることが多いです。

あとからもめ事にならないよう、事前に細かく権限を決めておくことをおすすめします。

成年後見人制度を利用して売却する(法定代理)

親が認知症等になり、判断能力が低下している場合もあるでしょう。

そのような状態で代理の手続きをしても、委任状は無効となってしまいます。

その場合は代理での手続きはできず、家庭裁判所に申し立てをし「成年後見人制度」を利用して売却を行う必要があります。

MEMO

成年後見人制度・・・認知症等で適切な判断を行うことが難しくなってしまった人のために、「成年後見人」と呼ばれるサポート役を置いて保護するための制度。

(↑裁判所が作成している、成年後見制度の動画です。)

成年後見人制度を利用するためには、親の住所を管轄している家庭裁判所に申し立てを行い、成年後見人を立てる必要があります。

申し立ての際に、成年後見人として自分を含めた親族を推薦することは可能ですが、実際に成年後見人を選定するのは家庭裁判所です。

親族以外に、弁護士や司法書士といった第三者の専門家が成年後見人に選ばれる場合もあります。

また、親族が成年後見人に選ばれたとしても自由に不動産を売却することはできず、家庭裁判所の許可をとった上で初めて売却が可能になります。

成年後見制度の説明は多岐にわたるので、興味のある人は下記の関連記事も参照してください。

関連記事→認知症になった親の不動産を売却できる成年後見制度とは?認知症になる前の対処法も紹介!

 

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親の実家を売却する際の鉄則②ローンの残債よりも高く売れるか調べる

続いてのポイントは、「実家のローンが残っているのかどうか」。

実家の相続であれば完済できているケースがほとんどかと思いますが、完済できていない場合の売却の手続きはどうなるのか見ていきましょう。

ローンの残債がある場合の手続き

ローンの残債がある場合は、実家を売却した金額(+自己資金や借り入れ)で一括返済する必要があります。

理由は、住宅ローンを一括返済することで、銀行が実家に対して設定している抵当権を外す必要があるからです。

とはいえ、実家がいくらで売れるのかわからない限り、一括返済ができるかどうかわかりませんよね?

そこで、まずすべきことは、不動産会社に依頼をして実家を査定してもらうことです。(のちほど詳しく説明します)

その金額を見て、余裕をもって返済できそうであれば売却を進めてください。

売却価格がローン残債に届かない場合は、別の手段を検討する必要があります。

売却金額でローンを一括返済できない場合

実家の売却代金でローンを一括返済できない場合は、

  1. 自己資金で差額を補う
  2. 無担保ローンを組むなどで差額を補う
  3. そのまま保有し続ける

のいずれかを選ぶ必要があります。

自己資金が十分にあれば、たとえ売却金額が不足していても問題はないでしょう。

もしくは、別の金融機関からお金を借りて不足分を補うのも一つです。

①②の選択肢を選べないのであれば、そのまま保有し続ける選択を選ぶ他ありません。

ローン残債がある物件の売却を詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

関連記事→住宅ローン残債ありのマンションを売却する3つの方法|一括返済・買い替えローン・任意売却

親の実家を売却する際の鉄則③複数の業者に査定を依頼する

あなたの実家がいくらで売れるのか知るために、不産業者に実家の査定依頼をしましょう。

ここで一つ気をつけていただきたいのが、1社だけでなくかならず複数の不動産会社から見積もりを取るということです。

1社の査定額だけでは判断基準がなく、金額の妥当性がわかりません。

最近主流になってきている一括査定サイトを活用すれば、ネットからまとめて複数の会社に査定の依頼ができます。

1社目の査定額「2700万円」をうのみにしていたら、実際売れるはずだった金額より安売りしてしまっていたかもしれません。

複数社から査定額を得たことによって、相対的に2700万円の査定額が平均より下回っていることが分かるわけです。

不動産一括査定サイトの使い方

ここ10年ほどで一気に主流になってきた一括査定サイト。

使い方はシンプルで、

1、あなたの物件情報を入力

2、物件のエリアに精通している不動産会社が複数社ピックアップされる

3、査定を依頼したい不動産会社を選択する(複数社可)

4、選択した会社から査定額が提示される

という流れです。

複数の会社に査定を依頼するために不動産会社の店舗を訪れていたら、休みが丸一日つぶれてしまうでしょう。

一括査定を活用すれば、家からでもカンタンに査定を依頼して、比較・検討することができますよ。

筆者がおすすめする一括査定サイト「HOME4U」

不動産の一括査定サイトは、筆者が把握しているだけでも40社ほどあります。

その中でも特におすすめしたい一括査定サイトが、NTTデータグループが運営する「HOME4U」です。

掲載している不動産会社数は平均的なのですが、その理由は提携する会社をしっかりと選別しているからです。

しかも、日本で初めて不動産一括査定サイトを始めたパイオニアですから、ノウハウや実績も申し分ありません。

地域によっては査定に対応できない場合もありますが、初めての不動産売却であれば、HOME4Uをおすすめします。

ちなみに、一括査定サイトはHOME4U以外にもたくさんあります。

『HOME4U以外の査定サイトも気になる。』

という方は、下記記事で詳しくまとめているので参考にしてください。

不動産一括査定サイトのおすすめ5選+評判の30サイトを比較!【総まとめ】

親の実家を売却する際の鉄則④解体して売るか、建物のまま売るか決める

複数の不動産会社に査定を依頼すると、こんなことを言われることがあります。

「建物部分にはほとんど値がつきません。土地価格での売却になりますが、建物が古いので買い手が付きづらいと思います。」

つまり、築年数の古い実家は建物の価値はほとんど残っておらず、むしろ売却の邪魔になることもあるのです。

その場合、実家は解体してしまって、更地の状態で売りに出す方が早く高く売れることがあります。

解体費用の相場について

解体費用は土地の面積や建物の状況によっても異なり、数十万円から数百万円ほど幅があります。

ただ、あなたの実家の状態がかなり悪い場合の解体に関しては、自治体から助成金が出ることもあるんですよ。

例として、石川県金沢市の助成金の例を見てみましょう。

金沢市

事業・条例名
まちなか低未利用地活用促進費補助
築年・構造
危険空き家
補助内容
1/2(上限50万円)
補足
市の現地調査により危険老朽空き家と判定された個人所有の空き家の解体(除却)工事費を補助するもの。

引用: 金沢市の解体費用助成金について|【公式】解体サポート

助成金の対象に選ばれた建物である前提ですが、解体費用の半分、もしくは50万円を上限に補助してもらうことが可能です。

数十万円の補助金は大きいですから、一度実家のエリアにある自治体に問い合わせをしてみて下さい。

また、解体を行っている不動産業者はたくさんあるので、必ず相見積もりを取るようにしてください。

解体業者によって費用は大きく異なりますし、評判や口コミも見たうえで依頼をかけるのがベストです。

解体費用を払えない場合はどうするか

売りたい人

両親が老人ホームに入って出費がかさんでいるところに、解体費用なんて払えないわよ!

という人もいるでしょう。

そんな時の対処法は3つです。

  1. 建物付きで売却を始めてみる
  2. 業者に買取を依頼する
  3. 資金が工面できるまで、空き家として維持する

それぞれ説明します。

1、建物付きで売却を始めてみる

先ほど伝えたように、建物付きで売却することももちろん可能です。

買い手が見つかりづらいというだけで、見つかる可能性も当然ありますから。

ただし、古い建物を売却する際の契約は、「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」についてしっかり理解しておく必要があります。

MEMO

瑕疵担保責任・・・売買を行った後に、事前に売り主が開示していない欠陥が見つかった際、売り主が買い主に対して負うべき責任のこと。

例)事故・自殺物件だった事実や、雨漏り・シロアリの被害を隠して売却するなど。

欠陥を事前に告知している場合は問題ありませんが、一定期間内に伝えていない欠陥が見つかると、瑕疵担保責任を負うことになります。

買い主から売買契約の解消だけでなく、賠償金の支払いを求められるケースもあるので注意しましょう。

関連記事→瑕疵担保責任を知らずにマンションを売ると告知義務違反になりますよ

2、業者に買取を依頼する

不動産業者によっては、仲介だけでなく買取を行っている会社があります。

買取の価格は相場の7~8割ほどと言われていますが、確実に素早く売却ができる上に、仲介手数料を支払う必要がありません。

また、先ほど説明した場合の「瑕疵担保責任」は、買取業者に対しては負わなくてもいいんです。

解体費用や仲介手数料の負担がなくなることを考えると、仲介よりもメリットが大きいこともありますよ。

関連記事→マンション買取でおすすめの業者や査定の依頼方法、相場の調べ方を解説!

3、資金が工面できるまで、空き家として維持する

解体費用が用意できない場合は、すぐに売却せず解体費用が工面できるまで時間を置くという選択肢もあります。

ただし保有している間は維持費もかかり、空き家はすぐに状態が悪くなるので、家の換気や庭の雑草を処理したりという手間がかかるのがデメリットです。

あなたの住まいが実家の近くであれば負担は大きくないかもしれません。

実家から離れている場合は、定期的に通うか、空き家の管理サービス等を活用しましょう。

また、この後説明する税金の控除は特定期間内に売却を行わないと、適用されませんので十分注意して下さい。

関連記事→相続した空き家を売却するメリットは?賃貸との比較や税金面の控除、確定申告も解説!

 

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親の実家を売却する際の鉄則⑤売却に伴う税金、控除について

続いて押さえておいてほしいのは、売却時にかかる税金と控除についてです。

実家の売却を行う際にかかってくる税金のうち「譲渡所得税」と呼ばれる税金に対しては、一定の条件を満たすことで控除を受けることができます。

MEMO

譲渡所得税・・・土地や建物を別の所有者に譲渡する際に課せられる税金で、内訳は所得税と住民税。

5年未満で売却する際は所得税30%+住民税9%(短期譲渡所得)

5年超で売却する際は所得税15%+住民税5%(長期譲渡所得)

上記の税率は、

収入金額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額 = 課税譲渡所得金額

として算出された、課税譲渡所得金額に対してかけられる。

参照: No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁

ここでは、居住用で使用していたマイホームを売却する場合の2つの控除を紹介しておきましょう。

マイホームを売ったときの特例

譲渡所得税に対して大きな控除が実施されるのが「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」です。

居住用財産の特例を受けられる条件は以下の通り。

  1. 居住中、もしくは居住しなくなってから3年を経過する年の12月31日までに売却すること
  2. 売却を実施した年の1年前と2年前に、居住用財産の特例と譲渡損失の特例を受けていないこと
  3. 売却した年と1年前、2年前にマイホームの買い替えや交換のなどの他の特例をうけていないこと
  4. 売却する建物や土地で、収容等の場合の特別控除などの特例を受けていないこと
  5. 災害などで無くなってしまった建物を売る場合は、建物に住まなくなってから3年以内に売ること
  6. 売り手と買い手が親族などの近しい関係でないこと

若干わかりづらいと思いますが、

  • ・過去に他の特例を受けていない
  • ・最後に住んでいた時から3年以内の売却
  • ・売買の相手が他人

の3つを押さえていれば、最大3000万円の控除をうけられます。

両親が老人ホームに入居してから3年以上経過してしまうと、マイホーム控除を得ることができないので気を付けてください。

10年超の軽減税率

あなたの両親が実家に10年以上住んでいた場合、マイホーム控除と併用して「マイホームを売ったときの軽減税率の特例軽減税率」を適応することが可能です。

先ほど説明した、「収入金額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額 = 課税譲渡所得金額」という金額で求められた課税譲渡所得金額に対して、下記の税額が適用されます。

課税長期譲渡所得金額(=A) 税額
6,000万円以下 A×10%
6,000万円超 (A-6,000万円)×15%+600万円

引用: No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例|国税庁

譲渡所得にかかる税は確定申告で支払います

譲渡所得にかかる税の控除を受けた上でも税金が発生した場合は、売却を実施した翌年に確定申告をしなければいけません。

確定申告は毎年2月16日から3月15日の間で行われます。(年ごとに若干前後する場合もあるので必ず確認してください。)

確定申告を行う方法としては、

  1. 必要書類に記入をして、税務署に直接提出
  2. 必要書類に記入をして、税務署に郵送
  3. Web上でe-taxを活用して提出

の3つの方法があります。

より詳しく知りたい人は、国税庁の土地や建物を売ったとき|国税庁のページを参照してみてください。

老人ホームに入った親の実家を売却するメリット・デメリット

続いては、老人ホームに入居予定の親の実家を売却することの、メリット・デメリットについて話をしていきます。

親の家を売却する3つのメリット

まずは、メリットから説明していきましょう。

1、老人ホームへの入会費用が賄える

両親が老人ホームに入る際には、まとまった「入居時費用」と「月額費用」が必要になってきます。

「入居時費用」に関しては、無料のところもあれば、数百万円に及ぶケースも存在します。

老人ホームの立地や、設備の充実度に応じて変わってくるわけですが、いずれにせよ大きな出費になることに違いはありません。

住宅ローンを払い終えている実家であれば、売却代金で入居費用を捻出することも可能でしょう。

2、維持費がかからない

もし、実家をそのまま空き家として置いておく場合、固定資産税や住民税を払い続ける必要があります。

建物とセットで所有している間は固定資産税も6分の1に減額されるので、比較的負担は小ないでしょう。

ただ、増加する空き家問題の対策として「空家等対策の推進に関する特別措置法」(以下、空家法)が制定されました。

空き家法では、管理状態の悪く周囲に悪影響を及ぼす可能性のある空き家は「特定空き家」として認定され、固定資産税の減額が受けられなくなってしまいます。

ただ保有しているだけで毎年数十万円、数百万円の維持コストがかかることを考えると、売却してしまうことのメリットは大きいです。

関連記事→相続した空き家を売却するメリットは?賃貸との比較や税金面の控除、確定申告も解説!

3、管理、維持の手間やコストが省ける

売却せずに空き家を維持するためには、定期的に管理する手間がかかります。

空き家をそのまま放置するとすぐに状態が悪くなるので、定期的に換気や通水を行う必要があるのです。

庭の草木も定期的に刈り取らないと、周囲の人に迷惑がかかるケースもありますから。

また、そのまま保有していると毎年固定資産税や都市計画税の支払いが待っています。

売却をしてしまえば、維持費用の負担もなくなるのが1つのメリットですね。

親の家を売却する2つのデメリット

続いて実家を売却することのデメリットについて、お話していきます。

1、実家を手放すことになるので精神的につらい

売却をしてしまうと、所有権は完全に新しい買い主に移ってしまいます。

当然将来的に住みなおすこともできませんし、何より精神的に寂しい思いをするでしょう。

2、売却代金によっては手出しが発生する

ローンが残っている実家を売却する場合は、売却時にローンを一括返済しなくてはいけません。

売却代金によっては手残りどころか、自己資金からお金を補填しないといけない場合もあります。

老人ホームに入った親の実家を賃貸するための3つの条件

これまでは、実家を売却する前提で話を進めてきました。

売却以外にも「実家を賃貸に出す」という選択肢もあります。

実家を賃貸に出す選択肢を選ぶためには、

  1. 住宅ローンを完済している
  2. 老人ホームへの入居費やクリーニング代・リフォーム代を、自己資金で捻出できる
  3. 賃貸の需要があるエリア&建物かどうか(駅チカのマンションなど)

などの条件をクリアしている必要があります。

それぞれ説明しましょう。

1、住宅ローンを完済している

実家を賃貸に出す場合は、原則住宅ローンを全額返済する必要があります。

なぜなら、銀行は居住用である前提で融資金額や返済期間、金利を決めているからです。

住宅ローンを借りて投資用として運用してしまうと、契約違反となり銀行からローンの一括返済を求められることもあります。

もちろん住宅ローンを完済していれば問題はないので、賃貸をも選択肢の一つに入ってくるでしょう。

2、老人ホームへの入居費や、クリーニング代・リフォーム代を自己資金で捻出できる

前提として、老人ホームへの入居費を賄うために実家を売却する人が多いです。

賃貸に出す場合、まとまったお金が手に入る訳ではないので、老人ホームへの入居費を別で用意する必要があります。

ただ、入居費用は無料で月額の利用料だけかかる老人ホームもあるので、その場合は賃貸に出してしまうのも一つでしょう。

また、実家の状況によっては、クリーニングやリフォーム費用がかかる場合もあります。

老人ホームの入居費と別に用意できる余裕のある人は、賃貸に出すことを検討してもいいですね。

3、賃貸の需要があるエリア&建物かどうか

地方の古い家では、賃貸の需要がないケースも多いです。

それでは物理的に貸し出すことができませんし、たまたま借り手がいても、安定して借り手を見つけられる保証はありません。

都市部やある程度栄えている駅周辺の地域であれば、賃貸の需要も高いので借り手は見つけやすいでしょう。

親の実家を賃貸に出す場合のメリット・デメリット

さきほど説明した条件を満たしているのであれば、賃貸の選択肢を選ぶことも一つです。

ただし、賃貸に出す場合もメリット・デメリットがあるため、それぞれ説明しておきます。

賃貸に出す4つのメリット

それでは賃貸に出すメリットから説明していきます。

1、相続税対策になる

実家を賃貸にすることによって、建物の固定資産税評価額が下がります。

土地部分に関しては路線価で算出した数字の70%、建物に関しても固定資産税評価額の70%ほどとなるため、相続税の対象になる金額が減り、結果として節税対策になるのです。

2、実家を残しておくことができる

実家を売却したり更地にしてしまうと、将来的にその家に住むことはできなくなります。

しかし賃貸であれば、借り手がいても所有者は変わりません。

貸し出している間はもちろん住むことができませんが、将来的に両親が終の棲家として実家を選んだ場合、借主に立ち退いてもらって、最後のひと時を過ごすこともできるでしょう。

関連記事→【結局いくら?】マンションを売る際の賃借人立ち退き料の相場とは?

3、定期的な収入が見込める

何よりも大きいのがこの「賃料収入」でしょう。

老人ホームは入居してからも毎月利用料がかかってきます。

老人ホームの利用料を賃料である程度相殺できれば、支払いの負担が軽減されるはずです。

4、管理の手間が必要ない

誰も居住しない空き家の状態で放置しておくと、家の劣化は一気に進みます。

賃貸の形で誰かが家に住んでくれていれば、換気や通水も日常に行ってくれますし、清掃も定期的に実施されるはず。

所有権をもちながら維持・管理のコストを減らせるのであれば、賃貸は大きなメリットと言えるでしょう。

賃貸に出すデメリット

続いては、賃貸に出すことのデメリットについても話をしておきましょう。

1、クリーニングやリフォームなどの初期費用がかかる

実家の状態にもよりますが、賃貸に出せる状態にするまでに、クリーニングやリフォーム等も必要になることがあります。

老人ホームへの入居費用も考えると、賃貸の選択肢をとれる人はそう多くないでしょう。

2、相続時に小規模宅地等の特例を受けられなくなる

将来的に両親が亡くなった場合の話ですが、一度実家を賃貸に出してしまうと「小規模宅地等の特例」を受けられなくなります。

MEMO

小規模宅地等の特例・・・被相続人が事業用や居住用に使用していた家を相続する際、一定の要件を満たすことで土地の評価額を80%さげることができる特例。

330㎡までの土地の評価額を80%下げることができ、それ以上の面積については通常の評価額として課税する。

特例を受けられる相続人は下記の3つのタイプ。

  1. 配偶者
  2. 家に同居していた親族
  3. 別居していた親族(※1)

※1 一定の条件を満たした場合のみ。

小規模宅地等の特例を受けられれば、税金が数百万円から数千万円安くなることがあります。

ただ、実家を賃貸に出してしまうと特例が受けられなくなるのがデメリットと言えるでしょう。

親の実家を担保にしてリバースモーゲージを活用する場合のメリット・デメリット

最後に、売却でも賃貸でもない「リバースモーゲージ」という選択肢についても紹介しておきます。

MEMO

リバースモーゲージ・・・実家を担保に入れることで銀行などから借り入れを行うこと。

借り主が亡くなったタイミングで実家を売却することで、まとめて返済を行うため、途中で返済する必要がない。

リバースモーゲージを利用すれば、家はそのまま使用しながら、まとまったお金を手にすることができます。

ただし、利用者には年齢の制限があることが多いです。

参考までにメガバンク三行のリバースモーゲージ利用開始年齢を見てみると、

  • ・三菱UFJ銀行・・・契約時の年齢が満60歳以上の人
  • ・三井住友銀行・・・契約時の年齢が満60歳以上の人
  • ・みずほ銀行・・・契約時の年齢が満55歳以上の人

となっています。

それでは、リバースモーゲージを利用する場合のメリット・デメリットについてもまとめておきます。

リバースモーゲージのメリット

まず、リバースモーゲージを利用する際のメリットについて話をしておきましょう。

1、借り入れ資金の使用用途が広い

通常、住宅ローン等は不動産を購入する用途に対して貸し出しを行っています。

リバースモーゲージは、基本的に使用する用途に対しての縛りがなく、自由に資金を使うことができるのです。

(もちろん、老人ホームへの入居費用に充てることも可能です。)

2、自宅を利用しながら借り入れを行える

リバースモーゲージは家を担保に入れる代わりに借り入れができるわけですが、借り入れをしている期間もそのまま家に住み続けることができます。

親は老人ホームに入るかもしれませんが、親族はそのまま家に住み続けられるのは嬉しいですよね。

3、借り入れのハードルが低い

リバースモーゲージは、住宅を担保にしていますし、評価額よりも低く見積もった金額を貸し出してくれますから、借り入れのハードルがそこまで高くありません。

保証人が必要ない代わりに、保証会社への加入が必要な場合はあります。

リバースモーゲージのデメリット

続いてはリバースモーゲージのデメリットについて説明します。

1、利用者の年齢制限がある

先ほども話した通り、60歳以上でないと利用できないなど、年齢の制限があります。

ただ、金融機関によって借り入れ時の年齢制限は違うので、いろいろと比較してみるといいですよ。

2、事業性の高い資金や金融商品には使えない

さきほど、借入金の使用用途が広いという話をしましたが、一部事業用の資金や金融商品(株・投資信託)などへの利用は制限されています。

基本的には、元本割れしてしまう可能性があるものには利用できないと覚えておいてもらえばいいと思います。

関連記事→リバースモーゲージを扱うおすすめの銀行20選とメリット・デメリットを徹底解説!

親が亡くなって相続した場合の実家の売却方法

ここまでは、両親が生きている前提で話を進めていきました。

ここからは、両親が亡くなり実家を相続したパターンについても説明をしておきましょう。

両親が亡くなって実家を相続すると、主に下記の3つの流れで手続きを進めていきます。

  1. 遺産分割協議を行う
  2. 相続登記で名義変更を行う
  3. 売却を行う

遺産分割協議とは、どの相続人がどの資産を相続するのかを決めることを指します。

実家を相続する人が決まれば、両親から相続人に実家の名義人を変更しなければいけません。

名義を変更した後に、実際に実家を売りに出します。

売却が完了した後も、相続税の支払いや、売却で得た利益に対しての税金を、確定申告をして支払う必要があるので注意してください。

相続した場合の売却については、下記の記事で詳しく解説をしているので、続けて参考にしてください。

関連記事→遺産相続したマンションを早く売るべき3つの理由を不動産のプロが解説!~売却後の税金や確定申告、評価額の計算方法も教えます

親の実家を売却する際のQ&A

最後に、実家売却に関するよくある質問に答えておきます。

実家に大量に荷物があるけど、片付けはどうしたらいい?

もちろん、身内で協力して片づけてもいいのですが、なかなか時間がとれなかったり、荷物が多すぎて大変だと感じる人も多いでしょう。

その場合は、遺品整理を専門に扱う業者等に頼むことをおすすめします。

片付けのプロが対応してくれますから、安心ですし、確実です。

遺品整理の業者は多数存在するので、かならず複数社から見積もりをもらうことをおすすめします。

思い入れのある実家を手放すのがとても悲しい・つらい

思い出がたくさん残っている実家を売却するのは、とても悲しいものです。

どうしても実家を残しておきたい場合は、「修繕・リフォームをして賃貸に出す」ことをおすすめします。

空き家の状態で放置されていると、家は一気に劣化してしまいますが、誰かが住んでいる状態であれば、劣化のスピードを遅らせることができます。

賃貸であれば家賃収入が期待できますし、家賃収入を活用して、固定資産税等の維持費も賄えるでしょう。

実家が古く、買い手がみつからなかった

通常の売却で買い手がつかない場合の対処法としては、以下のようなものが挙げられます。

  1. リフォーム・修繕後に売却
  2. 解体後に更地として売却
  3. 不動産業者に買取を依頼
  4. 自治体等に寄付をする

リフォーム・修繕や解体の場合は、事前にまとまった費用がかかります。

一般の売却よりも安くはなるものの、不動産業者に買取を依頼することで、確実に手放すことができるでしょう。

買取も難しい場合は、地方自治体等への寄付を検討するのも、一つの選択肢です。

寄付に関しては、下記の記事で詳しく解説をしているので、ぜひ参考にしてみてください。

関連記事→空き家を寄付する方法を不動産のプロが分かりやすく解説!~売却や買取、解体後に更地で売る方法も紹介

まとめ

今回の記事では、「両親が老人ホームに入居するタイミングで実家を売却する際に気を付けるポイント」ついてお話しました。

5つのポイントを振り返っておくと、

  1. 代理か成年後見制度のいずれかを利用して売却する
  2. ローンの残債を確認しておく
  3. いくらで売却できるのか査定で確認する
  4. 建物付きで売るのか、解体してから土地で売るのかを決める
  5. 売却に伴う税金と控除について理解しておく

の5つです。

特に税金周りはかなり難しいと思うので、自身でも勉強しながら、不動産会社や司法書士に力を借りましょう。

長年連れ添った実家との別れは辛いと思いますが、売却してしまうことで多くの不安や面倒事から逃れられるのも事実です。

両親や兄弟、親族ともしっかりと相談をし、問題なく売却できるようしっかりと準備をしておきましょう。

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