両親が老人ホームに。実家を売却する際に気を付ける5つのポイントとは?

この記事では、

売りたい人

両親が二人とも老人ホームに入ることになった。

実家を売却する予定だけど、手続きや費用、税金等気を付けるポイントについて知りたい。

そういった方の疑問に答えていきます。

まず実家を売却する場合、建物付きで売るか、解体して土地だけで売るかという2つの選択が存在します。

比較的新しい物件であれば建物付きでも売却できますが、古く需要の少ない物件では、更地にしてしまわないと買い手がつかないケースがあります。

また売却のタイミングによって、税金の控除の有無が変わってくるため、負担額が大きく変わってくる点にも注意しなくてはいけません。

他にも相続に関する税金や、ローン残債の有無などによっても、取るべき手段は変わってきます。

この記事ではそれらすべての疑問について一つずつ解説していきますので、実家の売却を検討している方はしっかりと読み込んでくださいね。

1、老人ホームに入った親の実家を売却する3つのメリット

老人ホームに入居した両親の実家を売る5つのポイントをお話する前に、売却を選ぶことの3つのメリットをお伝えしておきます。

1、老人ホームへの入会費用が賄える

両親が老人ホームに入る際には、まとまった「入居時費用」と「月額費用」が必要になってきます。

「入居時費用」に関しては、無料のところもあれば、数千万円に及ぶケースも存在するのです。

老人ホームの立地や、設備の充実度に応じて変わってくるわけですが、いずれにせよかなり大きな出費になることに違いはありません。

「入居時費用」が払えない場合、実家の売却費用でかなりの金額を賄えるはずです。

2、維持費がかからない

もし、実家をそのまま空き家として置いておく場合、固定資産税や住民税を払い続ける必要があります。

建物とセットで所有して入れば固定資産税も6分の1に減額されるのですが、つい最近「空家法」という法律が制定され、管理状態の悪い空き家は「特定空き家」として認定され、固定資産税の減額が受けられなくなってしまいます。

ただ保有しているだけで毎年数十万円の維持コストがかかることを考えると、売却してしまうことのメリットは大きいです。

関連記事→空き家売却に関する疑問(リフォーム、解体、税金)すべて答えます!

3、管理、維持の手間が省ける

空き家を維持するためには、お金だけでなく管理する手間がかかります。

空き家をそのまま放置するとすぐに状態が悪くなるので、定期的に換気や通水を行う必要があるんです。

庭の草木も定期的に刈り取らないと、周囲の人に迷惑がかかるケースもありますから。

こういった手間がなくなるのも大きなメリットの一つですね。

2、老人ホームに入った親の実家を売却する時に気を付ける5つのポイント

それではさっそく、両親の実家を売却する際に押さえておくべき、5つのポイントについてお話します。

5つのポイントは以下の通り。

  1. 所有者の名義変更
  2. ローンの残債はあるか
  3. いくらで売却できるか
  4. 税金の控除について
  5. 解体費用について

それぞれ詳しく説明していきます。

1、所有者の名義変更

実家の所有者の名義は誰になっていますか?

あなたの父親や母親名義の場合は、「贈与」という形で所有者をあなた自身の名義に変える必要があります。

通常は司法書士に依頼をして、名義の変更を行ってもらうことが一般的です。(5万円~10万円程度)

なお、この際にかかる費用は、

  • 司法書士に支払う手数料
  • 登録免許税

の両方を含んだ金額となります。

もし費用を捻出する余裕のない方は、自分で法務局にいって書類を集め、作成することも可能です。

しかし、素人が無理やり作成した書類では、後々問題になることもあるのでオススメしません。

実家の贈与にかかる税金

贈与という形で両親からあなたに所有権が移る場合、先ほどの「登録免許税」に加えて「贈与税」「不動産取得税」を支払う必要があります。

それぞれ説明しておくと、

贈与税

贈与税には「一般贈与財産用」と「特例贈与財産用」の2種類が存在し、それぞれ税率が異なります。

MEMO

一般贈与財産用税率・・・特例贈与財産以外の財産に適応される税率

特例贈与財産用税率・・・贈与が行われる年の1月1日時点で20歳以上の人が、直系の尊属(両親や祖父母)から財産を贈与される場合に適応される税率

それぞれに適応される税率は以下の通りです。

贈与税の速算表【一般贈与財産用】
基礎控除後の課税価格 200万円以下 300万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円以下 1,500万円以下 3,000万円以下 3,000万円超
一般税率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 25万円 65万円 125万円 175万円 250万円 400万円
贈与税の速算表【特例贈与財産用】
基礎控除後の課税価格 200万円以下 400万円以下 600万円以下 1,000万円以下 1,500万円以下 3,000万円以下 4,500万円以下 4,500万円超
特例税率 10% 15% 20% 30% 40% 45% 50% 55%
控除額 10万円 30万円 90万円 190万円 265万円 415万円 640万円

引用: 財産をもらったとき|国税庁

両親が生きている状態での贈与の場合、「暦年課税」という計算式が適応されます。

計算式は以下の通りです。

【課税価格ー110万円(基礎控除額)】× 税率 − 控除額 = 税額

少し分かりづらいと思うので、一つ例を挙げてみましょう。

計算例)

あなたが両親から1000万円分の財産を譲り受けたとします。

その場合は特例贈与財産用の税率が適応されるため、

【1000万円ー110万円】×30%ー90万円=177万円

という計算式が成り立ちます。

不動産取得税

新しく不動産を取得した際に、都道府県から課される地方税が「不動産取得税」です。

不動産取得税の計算式は以下の通り。

土地・建物の税額 = 固定資産税評価額 × 4%

(※平成33年3月31日以降まで、土地と住宅は3%に減税されます。)

固定資産税評価額というのは、地価公示価格の70%の金額です。

地価公示価格とは、国土交通省が設定する価格で、エリアごとに1平方メートルごとに設定されています。

 

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2、ローンの残債はあるか

続いてのポイントは、「ローンが残っているのかどうか」というポイント。

実家の相続であれば完済できているケースがほとんどかと思いますが、完済できていない場合の売却の手続きはどう変わるのか見ていきましょう。

ローンの残債がある場合の手続き

ローンの残債がある場合は、売却した金額で相殺するか自己資金で一括返済する必要があります。

理由は、銀行が担保として設定している「抵当権」を外す必要があるからです。

ただ、実家がいくらくらいで売れるのかわからない限り、一括返済ができるかどうかわかりませんよね?

まずは、不動産会社に依頼をして、実家がいくらくらいの価値なのか査定してもらいましょう。

その金額を見て、余裕をもって返済できそうであればそのまま売却を進め、残債に届かない場合は他の手段を検討する必要があります。

売却金額と自己資金の合計で、ローンを一括返済できない場合

この場合に取れる方法は、以下の2つです。

1、任意売却を行う

2、ローンを組むなどして資金を調達する

通常の売却であれば、買い替えローンも組めるのですが、実家の売却は買い替えではないので使えません。

銀行に別途融資してもらう形で補填する必要があります。

ローン残債がある物件の売却を詳しく知りたい方は、下記の記事を参考にしてください。

関連記事→住宅ローンが残っていてもマンションを売る方法教えます!

3、いくらで売却できるか

先ほど、ローン残債が残っている家のケースもお話しましたが、まずはあなたの実家がいくらくらいで売れるのかを知る必要があります。

そのために、不動産業者に査定の依頼をしましょう。

直接不動産会社を訪れてもいいのですが、実際に出向く必要があるので手間です。

そこで、最近不動産売却で主流になってきている「一括無料査定サイト」を活用しましょう。

一括査定サイトとは?

ここ10年ほどで一気に主流になってきた一括査定サイト。

ネット上で簡単に複数の不動産会社に対して査定依頼をかけることができるんです。

使い方はシンプルで、

1、あなたの物件情報を入力

2、物件のエリアに強い不動産会社がピックアップされる

3、依頼したい不動産会社を選択す

4、それぞれの会社から査定額が提示される

という流れです。

いちいち不動産屋を訪れずに済みますし、複数の不動産会社を比較・検討することができるのでオススメです。

筆者がおすすめする一括査定サイト「HOME4U」

40以上のサイトを比較してきた筆者がイチオシする一括査定サイトが「HOME4U」です。

その理由は大きく3つ。

  1. 日本で一番最初の不動産一括査定サイト(運営歴17年)
  2. NTTデータグループが運営しているから情報セキュリティも安心
  3. 全国から厳選した1000社の優良企業に査定を依頼できる

フリーダイヤルでの相談窓口も設置されており、ネットが苦手な人にとっても利用しやすい環境を整えています。

提携先が2000社近い査定サイトが多い中、無闇に提携先を増やすのではなく、信頼のおける1000社に絞って提携している点も好感が持てますね。

実績、安心感ともに信頼のおける査定サイトなので、悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。

ちなみに、一括査定サイトはHOME4U以外にもたくさんあります。

『HOME4U以外の査定サイトも気になる。』

という方は、下記記事で詳しくまとめているので参考にしてください。

不動産一括査定サイトのおすすめ5選+評判の30サイトを紹介!【総まとめ】

4、解体費用について

複数の不動産会社に査定を依頼すると、こんなことを言われることがあります。

「建物部分にはほとんど値がつきません。土地価格での売却になりますが、建物付きでは買い手が付きづらいです。」

このケースでは、あなたが土地を解体して更地にしないと買い手がつかないケースがあるということです。

その場合、あなたが解体費用を負担する必要があります。

解体費用の相場について

解体費用は、土地の面積や建物の状況によっても異なりますが、50万円~200万円ほどの出費は覚悟した方がいいですね。

解体を行っている業者はたくさんありますので、必ず相見積もりを取るようにしてください。

解体業者によって費用は大きく異なりますし、評判や口コミも見たうえで依頼をかけるのがベストです。

解体費用を払えない場合はどうするか

売りたい人

両親が老人ホームに入って出費がかさんでいるところに、解体費用なんて払えない!

といった方も一定するいるでしょう。

そんな時の対処法は3つです。

  1. 建物付きで売却を始めてみる
  2. 業者に買取を依頼する
  3. 資金が工面できるまで、空き家として維持する

それぞれ説明しておきましょう。

1、建物付きで売却を始めてみる

先ほど伝えたように、建物付きで売却することももちろん可能です。

買い手が見つかりづらいというだけで、見つかる可能性も当然ありますから。

ただし、古い建物を売却する際の契約は、「瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)」についてしっかり理解しておきましょう。

MEMO

瑕疵担保責任・・・売買を行った後に、事前に売り主が事前に開示していない欠陥が住宅に見つかった際、売り主が負うべき責任のこと。

欠陥を事前に告知している場合は問題ありませんが、伝えていない欠陥が見つかると、買い主から売買契約の解消だけでなく、賠償金の支払いを求められるケースもあります。

関連記事→「告知義務」を知らずにマンションを売ると痛い目に遭いますよ。

2、業者に買取を依頼する

不動産業者によっては、仲介だけでなく買取を行っている会社があります。

買取の価格は相場の7割ほどといわれていますが、確実に素早く売却ができる上に、仲介手数料を支払う必要がありません。

また、先ほど説明した場合の「瑕疵担保責任」は、法人相手に対しては負わなくてもいいんです。

かなり安く買われる可能性がありますが、解体費用や仲介手数料の負担がなくなることを考えると、仲介よりもメリットが大きいこともありますよ。

関連記事→マンションの「買取」のメリット・デメリット教えます。

3、資金が工面できるまで、空き家として維持する

解体費用が用意できない場合は、すぐに売却せず解体費用が工面できるまで時間を置くという選択肢もあります。

ただし保有している間は維持費もかかり、空き家はすぐに状態が悪くなるので、家の換気や庭の雑草を処理したりという手間がかかるんです。

あなたの住まいが実家の近くであれば負担は大きくないかもしれませんが、離れている場合は定期的に通うか、空き家の管理サービス等を活用する必要があります。

また、この後説明する税金の控除は特定期間内に売却を行わないと、適用されませんので十分注意して下さい。

関連記事→空き家売却に関する疑問(リフォーム、解体、税金)すべて答えます!

5、売却に伴う税金、控除について

続いて税金の控除についてです。

実家の売却を行う際にかかってくる税金のうち、「譲渡所得税」と呼ばれる税金に対して、一定の条件を満たすことで控除を受けることができます。

MEMO

土地や建物を別の所有者に譲渡する際に課せられる税金。

計算式は、

収入金額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額 = 課税譲渡所得金額

として算出される。

参照: No.1440 譲渡所得(土地や建物を譲渡したとき)|国税庁

ここでは、住宅売却にかかわる2つの控除を紹介しておきましょう。

マイホーム控除が受けられるか

譲渡所得税に対して大きな控除が実施されるのが「マイホーム控除」です。

このマイホーム控除を受けられる条件として、あなたの両親が老人ホームに移ってから3年目を迎える12月31日までに売却することが挙げられます。

先ほど解体費用が工面できるまで、空き家として維持するという話をしましたが、3年以上経過してしまうとマイホーム控除を得ることができないので、気を付けてください。

10年超の軽減税率

あなたの両親が実家に10年以上住んでいた場合、マイホーム控除と併用して軽減税率を適応することが可能です。

(※詳しい所有期間に関しては、「売却した年の1月1日時点で、自宅への所有期間が10年を超えているもの」です。)

先ほど説明した、「収入金額 – (取得費 + 譲渡費用) – 特別控除額 = 課税譲渡所得金額」という金額で求められた課税譲渡所得金額に対して、下記の税額が適用されます。

課税長期譲渡所得金額(=A) 税額
6,000万円以下 A×10%
6,000万円超 (A-6,000万円)×15%+600万円

引用: No.3305 マイホームを売ったときの軽減税率の特例|国税庁

3、家を賃貸に出す場合の条件とメリット

これまで、家を売却する前提でお話を進めてきました。

もう一つ、売却以外に「実家を賃貸に出す」という選択肢もあります。

ただ、賃貸に出すためには以下の条件を満たしていないと厳しいでしょう。

  1. 老人ホームへの入居費を、自己資金で捻出できる
  2. 実家に賃貸の需要がある(比較的新しいマンションなど)
  3. 古い家の場合は、リフォーム代等も自己資金で用意できる

それぞれ説明しておきます。

1、老人ホームへの入居費を、自己資金で捻出できる

前提として、老人ホームへの入居費を賄うために売却を行う人が多いです。

賃貸に出す場合、まとまったお金が手に入る訳ではないので、老人ホームへの入居費を別で用意する必要があります。

もし入居初期費用が無料のところであれば、賃貸にだすのも一つの手ですよ。

2、実家に賃貸の需要がある(比較的新しいマンションなど)

そもそも、ものすごく古い田舎の家では、賃貸の需要がないケースも多いです。

それでは物理的に貸し出すことができませんし、できたとしても安定して借り手を見つけられるとは限りません。

都市部やある程度栄えている駅周辺のマンション等であれば、賃貸の需要も高いので貸し出しても借り手は見つかるでしょう。

3、古い家の場合は、リフォーム代等も自己資金で用意できる

もし、条件が悪い家であっても、リフォーム費用を捻出できるのであれば、需要のある家に生まれ変わらせることも可能です。

老人ホームの入居費にリフォーム費用までかさんで支払いをできる家庭の方が稀とは思いますが、余裕があるのであればこういった選択肢もあります。

注意

築年数の長い物件を買う人たちの中には、安く仕入れて自分でリノベーションしようという需要が一定数あります。

そうなると、こちらでリフォームをして売値を上げてしまうと、かえって逆効果になるケースもあります。

家を賃貸に出す場合の4つのメリット

上記の条件のいずれか、もしくは複数を満たす場合は賃貸も検討してみましょう。

無事賃貸に出すことができることによって得られる4つのメリットも紹介しておきましょう。

1、相続税対策になる

実家を賃貸にすることによって、建物の固定資産税評価額が下がります。

土地部分に関しては路線価で算出した数字の70%、建物に関しても固定資産税評価額の70%ほどとなるため、相続税の対象になる金額が減り、結果として節税対策になるのです。

2、実家を残しておくことができる

実家を売却したり更地にしてしまうと、基本的にその家に住むことはもうできません。

しかし賃貸であれば、あくまでも所有者はあなた(かあなたの両親)です。

貸し出している間はもちろん住むことができませんが、将来的に両親が終の棲家として実家を選んだ場合、借主に立ち退いてもらって、最後のひと時を過ごすこともできるでしょう。

関連記事→【結局いくら?】マンションを売る際の賃借人立ち退き料の相場とは?

3、定期的な収入が見込める

何よりも大きいのがこの「賃料収入」でしょう。

老人ホームは入居してからも毎月利用料がかかってきます。

この利用料を賃料である程度相殺できれば、支払いの負担が大きく軽減されるはずです。

4、管理の手間が必要ない

もし空き家と放置した場合に、家の手入れが定期的に必要なことはお話しました。

ただ、家に誰かが住んでくれていれば、換気や通水も日常に行ってくれますし、庭の手入れも同様です。

空き家で置いておくよりはずっとたくさんのメリットが得られますね。

まとめ

今回の記事では、「両親が老人ホームに入居するタイミングで実家を売却する際に気を付けるポイント」ついてお話しました。

5つのポイントを振り返っておくと、

  1. 所有者の名義変更を行うこと
  2. ローンの残債を確認しておくこと
  3. いくらで売却できるのか査定で確認すること
  4. 解体する場合は費用相場を知っておくこと
  5. 売却に伴う税金と控除について理解しておくこと

の5つです。

特に税金周りはかなり難しいと思うので、自身でも勉強しながら、不動産会社や司法書士に力を借りましょう。

長年連れ添った実家との別れは辛いと思いますが、売却してしまうことで多くの不安や面倒事から逃れられるのも事実です。

両親や兄弟、親族ともしっかりと相談をし、問題なく売却できるようしっかりと準備をしておきましょう。

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