売りたい人
主人が病気で倒れてしまったから、まとまったお金が必要になった。
すぐに用意できるような金額ではないから、今住んでいるマンションを売って、治療費を賄おうと考えている。
ローンも残っているから、絶対にそれ以上の値段で売却しないといけない。
どうすれば、少しでも高くマンションを売ることができるかな?
そういった方の疑問に答えていきます。
マンションを高く売却するためにすべきことは、実はシンプルです。
- ・不動産市況から売り時を見抜く
- ・一番信頼できる会社・担当者を選ぶ
- ・適正な売り出し価格と計画を練る
- ・商品である家の価値を最大限に引き出す
これだけで、売却時の結果は300万円、500万円と変わってきます。
多くの人は難しく考えているか、努力の方向性を間違えているので、希望の価格で売却できないのです。
今回は、非常にシンプルかつ効果的なマンション売却のコツを6つ紹介しますので、しっかりと読み込んでくださいね。
もくじ
マンション売却を成功させるコツ①不動産の売り時を見極める
マンション売却で押さえるべき最初のコツは「売り時を見極めること」です。
不動産に限らずですが、この世のビジネスはすべて需要と供給で成り立っています。
コップ一杯の水を東京で歩いている人に売っても、ありがたみがないので誰も買ってくれません。
しかし、砂漠でのどがカラカラになっている人に売ったとしたら、いくら払ってでも買いたいと思うでしょう。
あなたの物件の需要は今高まっているのか、それとも落ち着いているのか。
普段からその見極めをするための材料を集めておかなければいけません。
とはいえ抽象的なことばかり言っても仕方ないので、具体的な話もしておきます。
この記事を書いている2018年9月現在は、まさに不動産の売り時といっていいでしょう。
その理由は大きく下記の3つ。
- 東京オリンピックの影響で不動産価格の高止まり
- 来年の消費増税に向けて、駆け込み需要
- 過去最低クラスの低金利
順番に説明していきます。
1、東京オリンピックの影響による不動産価格の高止まり
2020年の東京オリンピックに向けて、都心では開発ラッシュが続いています。
人件費と建築費が高止まりしているため、価格の高騰はしばらく続くでしょう。
しかし多くの投資家は、そろそろ不動産価格が下落し始めると考えています。
その理由の一つが、東京オリンピック開催が決まって5年が経過しているから。
東京オリンピック開催が決まったのは2013年の9月で、ちょうど今から5年前です。
オリンピック開催による価格高騰を見越して、このタイミングで不動産を購入した投資家が国内外にいました。
不動産は所有して5年を超えると、売却益(キャピタルゲイン)に課せられる譲渡所得税が「39%→20%」と半分になるのです。
このタイミングを待って売りに出ようとする投資家は、確実に存在します。
大口の投資家が動き出す前の、早めの不動産売却がおすすめです。
2、来年の消費増税に向けての駆け込み需要
2019年10月から、消費税は8%から10%に増税されます。
増税をしたとしても、不動産の売り手からするとそこまで大きな影響はありません。
しかし、不動産の買い手にとっては影響が大きいです。
なぜなら、購入した不動産の建物価格に対して消費税がかかるから。
たった2%の違いでも、数十万円という出費の違いが生まれるのです。
つまり、増税前に買い手側の需要が大きく高まるため、相対的に高値での売却ができます。
まだ一年もありますが、物件の引き渡しが2019年の10月以降だと増税の影響をうけるので、早めに動き出す人がいます。
余裕を持った売却期間を設定しておくことも大切ですよ。
3、過去最低クラスの低金利
なんといっても、過去に類を見ない低金利での貸し付けが続いています。
30年ほど前は8%台だった金利も、今や1%代です。
金利はたった1%違うだけでも、最終的な返済額に数百万円の違いがうまれるので。
この低金利のタイミングを逃したくないと考えている買い手の需要が強いため、絶好の売りのタイミングといえます。
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不動産査定サイトを使わないと大損をしてしまう理由と35サイト徹底比較
マンション売却を成功させるコツ②複数の不動産会社に査定の依頼をする
売り時を見極めた後は、自分の代わりに売却活動を行ってくれる、不動産会社選びに取り組みましょう。
1社の不動産会社だけに依頼をして、盲目的にその会社の担当者が言うことを信じている人がいます。
はっきりいって本当にもったいないです。
数万円の商品を買うときには複数の業者から見積もりをとり、数千万円の金額が動く不動産会社で比較・検討しないのはおかしな話。
不動産売却で最も時間をかけるべきポイントは、不動産会社選びです。
8割方、どの会社を選ぶかで売却が成功するかどうかは決まりますから。
一括査定サイトなら無料で簡単に依頼できます
とはいえ、一軒一軒不動産会社を訪ね歩いて回るのは効率的とは言えません。
今は一括査定サイトと呼ばれる便利なサービスがあります。
Web上で物件の情報と個人情報だけ入力すれば、複数の会社に対して同時に査定の依頼をかけることができるのです。

査定額は実際の売却額とは異なりますが、会社ごとに数百万円の違いが生まれることもよくあります。
高ければ高いほどいいわけではないですが、基本的には高い査定額を出せる会社=売却に自信のある会社といえるでしょう。
筆者がおすすめする一括査定サイト「HOME4U」
40以上のサイトを比較してきた筆者がイチオシする一括査定サイトが「HOME4U」です。
その理由は大きく3つ。
- 日本で一番最初の不動産一括査定サイト(運営歴17年)
- NTTデータグループが運営しているから情報セキュリティも安心
- 全国から厳選した1000社の優良企業に査定を依頼できる
フリーダイヤルでの相談窓口も設置されており、ネットが苦手な人にとっても利用しやすい環境を整えています。
提携先が2000社近い査定サイトが多い中、無闇に提携先を増やすのではなく、信頼のおける1000社に絞って提携している点も好感が持てますね。
実績、安心感ともに信頼のおける査定サイトなので、悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
ちなみに、一括査定サイトはHOME4U以外にもたくさんあります。
『HOME4U以外の査定サイトも気になる。』
という方は、下記記事で詳しくまとめているので参考にしてください。

一括査定サイトを利用するときは、大手と地元を組み合わせましょう
一括査定サイトを利用する時、ほとんどの会社は最大6社まで査定依頼をかけることができます。
その際にお勧めしたいのが、大手の会社と地域密着型の不動産会社を組み合わせて査定を依頼するということ。
異なるタイプの不動産会社に依頼をしておくことで、大手だけ、地域密着型の会社だけでは得られなかった結果が得られるかもしれません。
知名度の高い大手の会社だけに依頼をせずに、バランスよく依頼をかけてみることを意識してみて下さい。

マンション売却を成功させるコツ③会社の実績・得意分野を見極める
一括査定サイトを活用して会社をいくつかピックアップしたら、それぞれの会社の実績や得意分野を見極めましょう。
一口に不動産会社といっても、業務内容は多岐に渡ります。
売買、賃貸、土地活用、ディベロッパー、賃貸管理業務、リフォーム、コンサルティングetc…
せっかく依頼をしても、賃貸をメインで行っている不動産会社では、売買に関するノウハウや経験が十分にありません。
また、売買を専門にしていたとしても、「新築の購入メイン」と「中古の売却メイン」ではまた大きく異なります。
会社の実績・得意分野を見極める
では、具体的に不動産会社の専門分野を見極めるにはどうすればいいのでしょうか?
一番わかりやすいのは、その不動産会社の担当者に直接確認をしてみることです。
売りたい人
あなたの会社は、どれくらい中古物件の売買実績がありますか?
もし、マンションや戸建てなど、物件の種類別に実績を教えていただけると助かります。
このように聞いてみてください。
会社の規模の違いがあるので、一概に実績数の大小だけを見ない方がいいのですが、一つの目安にはなります。
実は、売買はあまり専門でやっていないんです・・・。
不動産屋さん
といった回答や、
購入のお客様はこれまで、数多くお手伝いしてきました!
不動産屋さん
といった回答が返って来た場合は、売却に強い不動産会社の返答とはいえません。
できるだけ自分の物件のタイプ(マンション・戸建てなど)の売却実績が豊富な会社を選びましょう。
さらに細かい不動産会社の選び方について知りたい方は、下記の記事も併せて参考にしてみてください。
関連記事→【必見!】マンション売却時に信用できる不動産会社を見分ける3つのポイント
不動産会社との媒介契約の選び方について
不動産会社に正式に売却を依頼する場合、「媒介契約」と呼ばれる契約を結びます。
媒介契約には、「専属専任媒介」「専任媒介」「一般媒介」の3種類があり、それぞれ下記のような違いがあります。
(※表を横スクロールできます)
一般媒介契約 | 専任媒介契約 | 専属専任媒介契約 | |
複数の不動産への仲介依頼 | 〇 | × | × |
契約の有効期限 | 法律上の制限なし | 3か月以内 | 3か月以内 |
自分で見つけた買い手との契約 | 〇 | 〇 | × |
レインズ(※1指定流通機構)への登録 | 法令上の義務なし | 媒介契約締結の日から7日以内 | 媒介契約締結の日から5日以内 |
業務処理状況の報告義務 | 法令上の義務なし | 2週間に1回以上 | 1週間に1回以上 |
もし信頼できる不動産会社を複数見つけられたのであれば、「一般媒介」を結ぶことで、複数の会社に売却を依頼できます。
1社まで絞り込めているのであれば、「専属専任媒介」か「専任媒介」をチョイスしましょう。
どちらも大きな違いはありませんが、もしい親戚や近隣の人があなたの不動産を買ってくれる見込みがあるのであれば、「専任媒介」を選ぶといいです。
「専属専任媒介」では、自分で見つけてきた買い主との契約(直取引)をすることができないので。
マンション売却を成功させるコツ④担当者の実績・人柄を見極める
不動産会社を選ぶことと同じくらい大切なポイントは、「担当者の実績や経験、人柄を見極める」ことです。
不動産会社の中にも、さまざまな社員が存在します。
- ・仕事にひたむきで、とにかくお客様の目線にたって仕事をしている担当者
- ・怒られない程度にほどほどに頑張ろうと考えている担当者
- ・結果を全く出しておらず、給料泥棒的な存在になっている担当者
せっかくいい会社を複数社絞り込めたのに、担当者選びで失敗しては意味がありません。
あなたの物件を売ってくれるのは会社ではなく、結局のところは人なのですから。
優秀な不動産会社の担当者を選ぶ上で、押さえてほしい3つのコツを伝えしておきます。
優秀な担当者を見抜くコツ①外見
最初にまず確認してほしいのが、担当者の外見です。
数百万、数千万円の不動産を扱っている自覚があれば、外見への気遣いはできていて当然といえます。
スーツの着こなしや、ネクタイ、シャツのシワ、革靴、髪型に体系まで。
話すまでもなく、外見面での気つがいにかける担当者は避けたほうがいいです。
優秀な担当者を見抜くコツ②人柄・性格
続いてのポイントは、担当者の人柄・性格。
もっとも大きな差がつくのは、「売上を見て仕事をしているか、お客を見て仕事をしているか」の違いです。
売り主の意向は関係なく、とにかく自分の売り上げを上げたいという考えている担当者もいます。
そのような担当者は、早期の売却をするために安易な値下げを提案してくることがあるので、気をつけてください。
売り主であるあなたの質問に気持ちよく答え、専門用語などは使わずにわかりやすく話す。
ちょっとした会話から、担当者が顧客目線で仕事をしているかどうかわかるものです。
優秀な担当者を見抜くコツ③コミュニケーション
シンプルで分かりやすいのが、メールや電話の際のコミュニケーションです。
確認してほしいポイントは3つだけ。
1、レスポンスのスピードは速いか
2、こまめに連絡をよこしてくれるか
3、メールの際に誤字・脱字がないか
です。
特にレスポンスのスピードを見れば、その担当者が優秀かどうかすぐにわかります。
レスポンスが早い担当者は、
・あなたに対しての優先順位を高く考えている
・先延ばしにせずに物事に取り組んでいる
の2つのポイントを押さえられているからです。
関連記事→不動産査定時に優秀な営業マンかどうかを見抜く4つのポイント!
マンション売却を成功させるコツ⑤長期的な売り出し価格と戦略を練る
売り出しのタイミングを見極め、信頼できる会社・担当者を見つけられたら、次は家の値付けです。
最初に不動産会社から査定をしてもらうわけですが、査定額はあくまでも参考価格。
売り主であるあなたがいくらで売りたいのかを、相場や競合を加味しながら最終的に決定していきます。
ここで競合物件がいる場合と、そうでない場合の値付けの違いを説明しましょう。
1、近隣に競合物件がある場合の値付け
例えばあなたが売ろうとしている不動産がマンションだとして、同じマンション内で同じ間取りの物件が売りに出されていたらどうでしょう。
購入希望者は、確実に競合の価格を参考にします。
同じマンションでなくても、同じような条件のマンションが近隣にあれば同様です。
売りたい価格を付けたとしても、競合の物件よりも値段が高く条件が悪いと判断されれば、あなたの家は売れません。
そこでとるべき対応は2つです。
1、競合が売りに出ていない時期にタイミングをずらすこと。
2、競合とできるだけ近い値付けをしながらも、特色を押し出して少しでも高く売ること。
少しでも早く売却しなければいけない事情があれば、そのまま競合と戦うしかありません。
2、近隣に競合物件がない場合の値付け
もし、偶然近隣に競合となる物件がない場合、少し強めの価格設定で売却していくことができます。
そもそも需要が全くない物件であれば例外ですが、競合がいないタイミングで売りに出せることは大きなチャンスです。
その場合、「売りたい価格」、「妥当な価格」、「売れるぎりぎりの価格」の3つを設定し、段階的に値下げをしていくようにしましょう。
まずは「売りたい価格」で売りに出しながら、3か月たっても売れなければ「妥当な価格」に、さらに3か月たっても売れなければ「売れるぎりぎりの価格」といった順番です。
マンション売却を成功させるコツ⑥内見時の印象を徹底的に良くする
最後のポイントは、「購入希望者の内見時の印象を良くすること」。
ここでは、具体的に押さえておいてほしい4つのポイントについてお話しておきましょう。
1、空室の状態で内見をしてもらう
売り主であるあなたがまだ住んでいる状態でも、購入希望者の内見を受け付けることは可能です。
しかし、家具や荷物がたくさんある上に、どうしても生活感が出てしまいます。
できれば、売却期間は仮のすまいを用意しておくか、先に新居を見つけて引っ越しておくことが理想的です。
何もない清潔感のある印象を与えることで、買い手の意欲はぐっと高まります。
空き家の状態であれば、内見のたびにスケジュールを合わせなくとも、不動産会社に内見を任せられるというメリットもあるので。
2、ホームステージングを取り入れる
あなたは、ホームステージングという言葉を聞いたことがありますか?
海外の不動産市場ではよく利用されており、部屋の中をインテリアや雑貨などの小物で、おしゃれに演出するサービスのことをいいます。
「その家に住むと、こんな素敵な生活を送れるんだ」といった明るいイメージを持ってもらえれば、購入意欲はぐっと高まります。
部屋の間取りや、どこまでをステージングするのかによって、数万円から数十万円の費用がかかると思ってください。
空室の状態でさみしい印象を与えていたり、内見希望者は来るけど、購入に至らないといったケースで検討してみるといいでしょう。
関連記事→マンションが40日で売れる?魅力を引き出すホームステージングとは?
3、リフォームは基本不要、水回りはクリーニングがおすすめ
多くの人が内見時の悩みの一つに「古くなっている箇所はリフォームした方がいいのか」が挙げられます。
絶対の正解はありませんし状態にもよりますが、原則はそのままでOK。
なぜなら、リフォームにかかった費用分を売却代金で回収できる保証がないからです。
リフォームに300万円かけたからといって、物件価格に300万円上乗せして売却すると、相場価格より高くなって結局売れないことがよくあります。
築年数の経っている不動産を購入しようとしている人は、安く買って自分なりにリフォームしようと考えている人が多いです。
勝手に売り主の思惑でリフォームをするよりも、安い値段で売って、買い主にリフォームの方法は任せる方が無難。
水回りの汚れがひどい場合は、自身での掃除はもちろん、業者を入れてでもきれいにしておいた方がいいですよ。
関連記事→【片付け費用削減!】マンションを売る際の清掃・不用品処分方法まとめ
4、当日は明るく風通しよく
少しテクニック的な話になりますが、内見当日は「明るく風通しよく」を意識しましょう。
中古の家というのは、どうしても住んでいる人の空気やにおいが残ってしまいます。
内見希望者が、将来自分の家として住みたいと思ってもらうためにも、フレッシュで明るい空間を演出しましょう。
不動産会社に内見を依頼する場合は、必ず内見希望者が来る前に電気をつけて、窓を換気しておくよう伝えてください。
まとめ
今回の記事では、「マンションをできるだけ高く売るためのコツ」についてお話をしてきました。
少し細かい話もありましたが、やるべきことはとてもシンプルです。
6つのコツを改めて振り返っておきます。
- コツ①不動産の売り時を見極める
- コツ②複数の不動産会社に査定の依頼をする
- コツ③会社の実績・得意分野を見極める
- コツ④担当者の実績・人柄を見極める
- コツ⑤長期的な売り出し価格と戦略を練る
- コツ⑥内見時の印象を徹底的に良くする
しっかりと売り時を見極めて、信頼できる会社・担当者を見抜き、内見時の印象をよくすれば、売却は成功させられます。
押さえるべきポイントを間違えずに、一生に一度あるかないかのマンション売却を悔いのないものにしてくださいね!
