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家を相続しないメリットとデメリットは?相続放棄の手続きから注意点まで分かりやすく解説!

 

マイホームを所有している多くの方が高齢者になっています。

そのため、これから多くの方が家の相続に迫られるはずです。

家の相続はメリットをもたらすこともありますが、売れなかったり、処分できなかったりすると、毎年数十万円の費用が出る負債物件となります。

そのような負債物件になりうる家は、相続放棄をした方がいいかもしれません。

相続放棄をすることで、家の相続権を失えるのです。

しかし、相続放棄には知っておくべきデメリットや注意点もあります。

本記事では、相続放棄のメリット・デメリットと手順、注意点、トラブル例などを解説します。

それでは早速見ていきましょう!

家を相続しないという選択肢

親や親族など身近な関係の人が亡くなると、遺産を相続することになるでしょう。

一般的に、「遺産は相続するもの」と認識されていますが、実は遺産を相続しないという選択肢もあるのです。

ここからは、相続放棄の概要とメリット・デメリット、相続放棄を選択した方がいいケースについて解説します。

相続を放棄することはできるのか?

相続放棄とは、法律で定められた相続人が財産の相続をしないことです。

法律で定められた正当な選択肢であり、遺産の中に負債がある場合に有効な手段となるでしょう。

ここで、どの範囲まで相続放棄できるの?と思いませんか。

例えば、亡くなった親の家は相続放棄して、預貯金だけ受け取りたいという方もいるはずです。

相続放棄では、一部の財産だけ相続しないという選択はできません。

もし相続放棄をするのなら、プラスの遺産を含めた、全ての遺産を手放す必要があるのです。

そのため、遺産全てを相続した時に、プラスになるのかマイナスになるのか計算してから選択するといいでしょう。

相続放棄で得られるメリット・デメリット

相続放棄で得られるメリットは、被相続者のマイナスの遺産を受け継がなくていいことです。

例えば、借金などは受け継ぎたくないですよね。

今回のテーマである家に関して言えば、住宅ローンが残った家は、相続放棄する大きな理由となるでしょう。

団体信用生命保険に加入していれば、ローン利用者が亡くなった場合、その後の住宅ローンの支払いは免除されます。

しかし加入していなければ、家を受け継ぐと大きな負担になる住宅ローン返済義務も受け継ぐことになるのです。

また、次の項で詳しく解説しますが、地方部の家の相続権を放棄できるのは大きなメリットになることがあります。

負の遺産を拒否できる相続放棄ですが、事前に知っておくべきデメリットもあるのです。

1つ目が先にも述べましたが、相続放棄することでプラスの遺産まで手放すことになること。

単純に考えて、1,000万円の住宅ローンが残った家と2,000万円の預貯金があった場合、相続放棄すると1,000万円損しますよね。

自分の相続分の計算をしっかりしてから、相続放棄しないと、大きく損する可能性があります。

2つ目のデメリットが新たな相続人が出ることです。

例えば夫が亡くなった場合、相続権は子供と配偶者にあります。

子供と配偶者が相続拒否すれば、この相続権は亡くなった夫の両親に移るのです。

この相続権の移転は、大きなトラブルを引き起こす可能性があります。

ある日突然、数千万円のローンが残った家を相続するように、と連絡が来たら困るはずです。

最悪の場合は、家族関係が修復できないほど悪くなるかもしれません。

そのため、相続放棄をする前には、相続権が回ってくる人に相談をしましょう。

最後3つ目のデメリットが、相続放棄は撤回できないこと。

法律で相続放棄が認められた後は、撤回できないと定められています。

大きな財産があることが後々判明したとしても、相続放棄していると時すでに遅し。

相続放棄を撤回するのは不可能なので、やはり事前チェックが大切です。

相続放棄がした方がいいケース5選

ここからは、相続放棄を考えるべきケースを紹介します。

遺産の中に負債がある他にも、考えるべきケースはあるので、ぜひ参考にしてください。

1.大きな借金が遺産の中にある場合

相続遺産の中に、大きな借金や負債がある場合は、相続放棄がいいかもしれません。

例えば、残りの住宅ローンが数十万円程度なら、受け継いだ方がいいでしょう。

というのも、物件状態にもよりますが、数百万円から数千万円で売却できる可能性があるからです。

また、借金の場合は過払い金の発生を確認しましょう。

過払い金を受け取る権利は相続人にあり、過払い金を請求することで、借金がゼロもしくは限りなく少なくなる可能性があります。

しかし、どのような手段を取っても、確実に相続額がマイナスになるようなら、相続放棄が現実的な手段です。

他の相続遺産や相続税、過払い金の有無、家の場合は売却価格など総合的に計算して、相続放棄を決断しましょう。

2.特定の相続人に相続させたい場合

被相続人の配偶者や特定の子供だけに、全ての財産を相続させるため、あえて相続放棄することもできます。

ただし、この方法には落とし穴もあるので要注意です。

例えば、父親の全遺産を母親に相続させようと、子供たちが相続放棄したとしましょう。

こうなると、子供たちには初めから相続権がなかったとみなされ、新たな相続者が誕生するのです。

配偶者と子供たちの次に相続権を持つのは、被相続人の父母や祖父母など、その次が被相続人の兄弟姉妹や甥姪など。

新たな相続人が遺産相続を求めると、母親が全遺産を受け継ぐのは難しくなります。

一般的に、特定の相続人に相続させたい場合は、遺産分割協議で決定するのがおすすめです。

遺産分割協議書を作成するだけなので、相続放棄よりも手間やコストはかかりません。

3.相続トラブルに関わりたくない場合

遺産分割協議中、相続トラブルが発生する可能性があります。

家族がバラバラになる可能性もあるため、関わりたくない方もいるでしょう。

しかし、相続人であり続ける限り、中立の立場をとるのは不可能。

裏を返せば、相続放棄さえすれば、遺産相続こそできないものの、相続トラブルから離れた中立の立場に立てるのです。

特に遺産に興味がなく、他の親族との関係を悪化させたくない方にはおすすめ。

4.故人が自営業者だった場合

故人が自営業者だった場合、しっかりと遺産と負債チェックをしておきましょう。

よくあるトラブルケースが、故人の遺産を受け継いで数年後に、借金や連帯保証債務義務の連絡がくることです。

すでに相続を受け継いでしまっているため、拒否しようともできません。

相続前に十分に確認するのが望ましいですが、正直なところ完璧に遺産チェックするのは難しいです。

特に借金や連帯保証債務義務などは、身内も知らない可能性があります。

故人が自営業者で、遺産状況がはっきりしないようなら、相続放棄をしておくと安心です。

5.空家問題を回避したい

家の相続手続きに関連すると、使い道も売れる可能性もない家は、相続しない方がいいかもしれません。

相続した家に住み続けたり、賃貸に出したりなど明確な目的があれば、相続するといいでしょう。

しかし、使い道のない住宅を相続するほど大きなリスクはありません。

住宅は所有するだけで、毎年の固定資産税や毎月の管理維持費が発生します。

数年間で支出は数百万円にもなるため、相続したら使用する、もしくは売却しなければ大損です。

ただ、現在は空家問題が深刻化しており、売りたくても売れない可能性は高くあります。

特に、以下に該当する住宅は売れない可能性が高いでしょう。

  • ・築年数30年以上の一戸建て
  • ・地方にあり、立地が悪い

このような家は相続しても、処分できないままお金だけが出ていく負債物件になる可能性が高いです。

そのため、初めから相続しないほうがいいかもしれません。

相続放棄を行うための具体的な手順

相続放棄の手続きはそれほど難しくはありません。

基本的な流れとしては、必要書類を集めて、家庭裁判所に申述するだけ。

では、具体的に見ていきましょう。

相続放棄で必要な書類は次の通りです。

  • ・申述者の戸籍謄本
  • ・被相続人の戸籍謄本
  • ・被相続人の戸籍の附票
  • ・800円の収入印紙
  • ・申述者の認印
  • ・相続放棄申述書(家庭裁判所の公式ホームページからダウンロード可)
  • ・返信用郵便切手

これらが主な必要書類ですが、家庭裁判所によって異なるので、事前に連絡して確認しておきましょう。

書類が集まったら、家庭裁判所に提出して、審査が終わるのを待つだけ。

提出できる家庭裁判所は、被相続人の最後の住所地を管轄するところです。

数週間のうちに審査が終了し、家庭裁判所から照会書が送られてきます。

必要事項を記入した照会書を、再び家庭裁判所へ返送して、相続放棄受理証明書が送られてきたら、無事相続放棄の手続き完了です。

書類申請から手続き終了までにかかる期間は約1か月ほど。

文字だけにすると簡単ですが、葬儀などでバタバタしながら、必要書類を集めるのは大変かもしれません。

また、一度却下されると、再び相続放棄の申請はできないため、記入欄も慎重になる必要があります。

期限内に確実に手続きを済ましたいという方は、司法書士に相続放棄の代理依頼をするといいかもしれません。

自分が家の相続を放棄したあとの流れ

相続放棄をした後の財産や相続権の流れは気になると思います。

例えば、法定相続人全員が家の相続放棄した場合、家はどうなるのでしょうか?

ここからは、家の相続放棄をした後の流れを見ていきましょう。

相続順位が後位の人が相続をする

相続放棄をすると、法律上であなたは相続権を失ったとみなされます。

そのため、相続権が他の法定相続人に移るのです。

法定相続人とは、配偶者と血族で相続の権利を有するものを示します。

どこまでが法定相続人になるのかと疑問に持つ方が多いでしょう。

回答としては、被相続人と血縁関係があれば、法定相続人になれる可能性があるのです。

例えば、被相続人の父の兄弟の子供、つまり甥姪も相続人になれます。

しかし、父の子供や配偶者と甥姪が同じ財産を貰えるのはおかしいですよね。

だから、法律で相続人の優先順位が次のように決められているのです。

  • ・第1順位(最優先):子と配偶者、代襲相続人
  • ・第2順位:両親
  • ・第3順位:兄弟姉妹及び代襲相続人

この法定相続人の順位を頭に入れると、相続権利の流れが分かりやすいと思います。

子供や配偶者が家の相続放棄をすると、相続権は両親へ移り、両親が相続放棄をすると被相続人の兄弟姉妹へ移るのです。

もし被相続人の子供が死亡していれば、孫に相続権が移り、その孫も死亡していればひ孫に相続権が渡されます。

これを「代襲相続」と呼び、被相続人の兄弟姉妹が死亡していた場合も同様に、甥姪に相続権が移るのです。

ただし、甥や姪の子供からは法定相続人になれないと決まっています。

このように被相続人が一度は会ったことはあろう親族は、法定相続人となる可能性があるのです。

漏れをなくすために、被相続人が生まれてから亡くなるまで全ての戸籍謄本を集める必要があります。

基本的には、代襲相続が起きた場合、被相続人の孫と甥姪までが範囲と考えておきましょう。

全員が相続放棄をすると「相続財産管理人」が選任される

相続権の流れを見てきました。

では、被相続人の孫や甥姪など、全ての法定相続人が相続放棄をすると、どうなるのでしょうか?

法定相続人がいなくなった時、家庭裁判所に申し立てをして、相続財産管理人をつけなければいけません。

相続材管理人とは、遺産管理を業務する人のことで、基本的には弁護士が選ばれます。

遺産の引き受け手が誰もいないため、代わりに遺産の管理をする人のことです。

相続管理人を申し立てする義務はありません。

しかし、全員が相続放棄をした場合は、相続管理人を選定するのがおすすめ。

というのも、法律で次の相続人が現れるまで、管理人には遺産管理する義務があると明示されているからです。

本記事のテーマである親の家の相続放棄をしたからと言って、すぐに無関係になれるというわけではありません。

次の管理人が見つかるまで、家の適切な管理をする義務が残ります。

つまり、住宅の場合は毎月適切な管理を行わなければいけません。

そのため、全員が相続放棄をしたら、速やかに家庭裁判所に相続財産管理人の申し立てを行いましょう。

申し立てを行った場合、家庭裁判所に予納金という費用を支払う必要があります。

予納金額は100万円近くなりますが、相続財産に余剰が出ると、申し立て人に一部が返還されます。

最終的な財産は国に帰属する

相続財産管理人が選定されたら、最終的な財産処分が実施されます。

まず財産管理人は、被相続人の遺産を整理して、借金などがあれば遺産から支払いを行うのです。

管理人としての業務が終了すれば、管理人は家庭裁判所に報告します。

報酬額の決定と支払いが実施され、それでも財産が残っているのなら、国に帰属するための手続きを実施するのです。

つまり、相続人がいない財産は国のものになるということ。

家の相続の手続きをしないまま放置しているとどうなる?

身近な人がなくなると、葬式などでバタバタする日々を過ごします。

ついつい相続の手続きを後回しにしがちですが、実は相続手続きの期限は決められているため、速やかに行わなければいけません。

ここからは、相続手続きを放置するリスクについて解説します。

相続の手続きの期限は、相続の事実を知ってから3か月以内

遺産相続の各手続きには期限があります。

例えば、相続税の申告と納税は、相続開始から10か月以内に実施しなければいけません。

相続放棄にも期限があり、自分が法定相続人であると知ってから3か月以内に、放棄するのかどうか決める必要があるのです。

この3か月の期間を「熟慮期間」と言います。

ただ、熟慮期間のスタートは「相続財産があると知った日」と、かなり曖昧ですよね。

基本的に第1順位者と配偶者は、相続人が亡くなった日を熟慮期間のスタートと考えましょう。

もし相続人が相続放棄をして、自分に相続権が回ってきた場合は、相続人全員が相続放棄をした事実を知った時がスタート日です。

熟慮期間中に、相続放棄の申請をしなければ、遺産相続をするとみなされてしまいます。

よくあるケースに、被相続人に遺産がないと勝手に思い込み、ポストにたまった郵便物に目を通さずに捨てました。

3か月後、相続人のもとに借金返済の連絡がきて、相続放棄ができないまま負の遺産を背負いこむというもの。

このケースでは、郵便物を見落としたという被相続人の過失があります。

そのため、3か月たってからの相続放棄は認められないのです。

意外と3か月は短い期間なので、まずは迅速に故人の財産確認をしましょう。

家の相続を迷った場合は、その家に使い道があるのか、もしくは売却できそうなのか考えることが大事。

ネットには一括査定比較サイトがあり、住所や築年数、面積などを入力すると、いくつかの不動産会社の査定が表示されるサービスがあります。

正確な査定ではありませんが、大まかな相場は分かるでしょう。

そのため、まずは査定一括サービスを利用して、売却できるかどうかの見通しをつけるのがおすすめ。

どうしても期限内に決まらない場合は、事前に延長することもできる

正直なところ、3か月という期限で、故人の遺産整理をしたり、必要書類を集めたりするのは難しいかもしれません。

遺産が借金とかだけならまだしも、負債とプラスの資産が混じっていると、大きく迷うことになるでしょう。

3か月間で決められないようなら、手続きをすることで期間の延長を行えます。

相続放棄期限の延長は、被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てすることで認められます。

申し立て人は、相続人や利害関係人と検察官、主な必要書類は以下の通りです。

  • ・申し立て書(裁判所の公式ホームページからダウンロード可)
  • ・被相続人の住民票除票
  • ・相続人の戸籍謄本

相続人との関係性によって必要書類は異なるため、事前に確認しておきましょう。

費用は収入印紙800円(相続人1人につき)と返信用の切手のみ。

延長手続きで大切なのは、3か月以内に行うこと、そして申し立て書の記入をしっかりと行うこと。

申し立て書には、期限延長を求める理由と希望延長期間を記入します。

ちゃんとした理由がなければ、延長は拒否されてしまうので気をつけましょう。

裁判所の公式ホームページには、申し立て書の記入例が掲載されているので、参考にするといいですね。

期限内に相続の手続きを行わなかった場合のデメリット

期限内に相続放棄を行わないデメリットは、有無にかかわらず財産を相続してしまうこと。

プラスの財産ばかりなら問題ありませんが、借金を相続することで、人生が狂ってしまう可能性もあります。

また、期限を過ぎてからの相続放棄が認められるのは、限りなく難しいです。

認められるケースとしては、幼い頃に離婚した親が亡くなったものの、その事実を知らされなかったことなど。

このように特別な事情がない限り、期限越えでの相続放棄はできません。

また、期限が過ぎて相続放棄を行う場合、専門家への依頼が必須となるでしょう。

ただし、プロでも期限越えの相続放棄は難しいため、経験と実績が豊富なところに依頼しなければいけません。

各事務所の公式サイトで、相続放棄期限越えの手続きを成功させた実績を確認しましょう。

そして、信頼できそうなところに相談するといいですね。

家の相続放棄を行う際の4つの注意ポイント

家の相続放棄を行う際には、いくつかの注意ポイントがあります。

注意点を知らずに相続放棄を行うと、取り返しのつかないことにもなるので、しっかりと確認しておきましょう。

1.相続放棄は後から撤回できない

すでに触れましたが、相続放棄が成立した後は、再び相続権を得ることは不可能です。

厳密に言えば、詐欺や脅迫が原因で相続放棄をしたら、申し出ることで撤回できる可能性があります。

ただし、大多数の方は自分の意思で相続放棄を行うことでしょう。

そこで重要なのは、住むつもりがなくとも、売却できる可能性を探ることです。

都心部にある家は高額売却できる可能性があるため、前向きに相続を考えましょう。

注意が必要なのは、親の家が地方にある時です。

地方にある古い一戸建ては売却できないと思われています。

しかし、解体して更地にすることで、数百万円の価値で売れる可能性が出てくるのです。

このように、親の家は工夫次第で売れる可能性が高くなります。

安易に相続放棄すると、数百万円損する可能性もあるため、じっくり考えてから相続放棄をうるかどうか決めましょう。

2.負債を背負う必要がない代わりに、財産も相続できない

相続放棄をすると、負債だけではなく財産も手放す必要があります。

重要なので再三言いますが、まずは被相続人の財産と負債をしっかり精査しましょう

負債よりも財産の方が多くなれば、相続放棄をした方が賢明です。

しかし、住宅の場合は財産の方が多いからと、安易に相続してしまうと損する可能性があります。

その理由は、住宅を相続することで、毎年の固定資産税がかかるからです。

固定資産税は住宅によって異なりますが、毎年20万円や30万円以上かかることさえあります。

相続財産が数百万円だとしても、住宅の処分ができないままでいると、たった数年間で相続財産以上の支出が出るリスクがあるのです。

家の相続が発生した場合は、相続財産だけではなく、毎年かかる固定資産税や管理維持費なども考慮しましょう。

3.相続放棄をした後も、管理義務は無くならない

相続放棄をしても、家の管理をする人がいなければ、相続人に管理義務は残ったままでした。

この管理義務ですが、基本的には第1順位者もしくは配偶者にあります。

というのも、第1順位者と配偶者が相続放棄をしても、第2順位者と第3順位者が引き受けなければ、管理義務は残り続けるからです。

そのため、相続財産管理人の選定費用は、第1順位者もしくは配偶者が支払うことになります。

100万円以上かかることもあるため、なかなか申し立てをする気になれない人が多いでしょう。

しかし、先延ばしにするだけ余計な費用がかかるので、迅速に選定するようにしてください。

では、相続財産管理人の選定を行わず、空き家のまま放置しておくとどうなるのでしょうか?

まずは地方自治体により、「特定空き家」と認定され、固定資産税額が上がるかもしれません。

自治体の警告を無視して、適切な管理を行わないでいると、最終的には所有者の費用負担で強制解体が行われるのです。

このように、相続財産管理人の選定を先延ばしにするメリットは1つもありません。

家を相続放棄するだけでは、管理義務から解放されないので、しっかりと家庭裁判所に財産管理人の選定を申し出ましょう。

4.遺品整理をしない

相続放棄を考えている方は、遺品整理をしない方がいいです。

手続きをすることで、必ず相続放棄が認められるということはなく、意外と相続放棄が却下されるケースも多くあります。

そして、よくある却下ケースの原因が遺品整理なのです。

遺品整理を行ってしまうと、家庭裁判所に「相続する意思がある」とみなされる可能性があります。

そのため、相続放棄をするなら、故人のものを動かさないようにするといいでしょう。

しかし、次の相続人が見つかるまで、遺品を動かせないのは不自由です。

いつまでも故人の部屋が片付かなければ、臭いなどで近隣から苦情が来ることもあるでしょう。

どうしても遺品整理をしたい場合は、まずは司法書士や弁護士など相続放棄に詳しい方に相談しましょう。

自己判断で遺品整理すると、相続放棄が却下され、半強制的に負債を相続することになってしまいます。

ただし、生ゴミなどの明らかなゴミは処分しても構いません。

手を付けてはいけないのが、少しでも資産価値があるもの。

相続放棄の可能性がある方は、明らかなゴミ以外は手を付けないようにしましょう。

家の相続放棄に伴う過去のトラブル集

家の相続放棄はトラブルが発生しやすいです。

最後によくあるトラブルを見て、同じ失敗を繰り返さないようにしましょう。

相続放棄したのに固定資産税納税通知書が届いた

非常に多い相談が、家の相続放棄をしたのに、翌年の固定資産税納税通知書が届いたというもの。

そもそも固定資産税の納税義務者とは、毎年1月1日時点で所有権者として登録されている人です。

この所有権者が亡くなっている場合、地方自治体は故人の相続人と推定される人物(主に配偶者が第1順位者)に納税通知書を送ります。

気になるのが、相続放棄をしたのに固定資産税の支払い義務があるのかどうかでしょう。

結論から言えば、納税通知書が届いたら納税義務があります。

もし他の相続人が家を受け継いだのなら、固定資産税は立替払いとみなされます。

そのため、新たな家の所有者に支払い分の請求が可能です。

ただ、固定資産税は大きな額となるため、支払いを拒否されるかもしれません。

その時は、司法書士や弁護士に相談して、穏便に解決するようにしましょう。

また、家の相続人が見つかり次第、不動産登記名義変更手続きを行ってください。

名義変更することで、固定資産税納税通知書などが正しい家の所有者のところに届きます。

絶対に避けていただきたいのが、遺産の中から固定資産税を支払うこと。

これは本当によくあるトラブルで、「故人の税金だから遺産から払っていい」と勝手に思い込んで支払ったりしてはいけません。

遺産に手をつけた、つまり「遺産を相続する意思がある」とみなされ、相続放棄できなくなる可能性が出てきます。

相続放棄した後は家に住んではいけない

相続放棄をする予定なら、基本的に被相続人名義の住宅には住めません。

これは配偶者や子供たちも同じで、相続放棄をすることで、家に住む権限がなくなるのです。

そのまま、住み続けると相続放棄が却下されるかもしれません。

しかし、故人と一緒に住んでいた場合は、すぐに他の家に引っ越すのは難しいでしょう。

そのため、一定期間の居住は認められるかもしれません。

居住期間は弁護士や司法書士と相談して決めるべきですが、相続財産管理人が不動産売却するまで住めることがあります。

もし自分の家を所有する子供が相続放棄したら、相続財産管理人が決まるまで、親の家を管理しなければいけません。

その際もまた、親の家に住みながらの管理はできないので要注意。

自宅から定期的に訪れる必要があるのです。

例えば、遠方に住んでいて、月一回の管理のために訪れたとしましょう。

その時、故人の自宅に宿泊するのは間違いで、ホテルなどに滞在しなければいけません。

遠方に住んでいる方は、月1万円ほど払って管理代行サービスを頼むといいかもしれません。

まとめ

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

最後にもう一度、親の家の相続放棄をするうえで、知っておくべきことを確認しましょう。

  • ・親が亡くなった日から3か月以内に相続放棄の申請をする
  • ・相続放棄をすると他の財産も相続できなくなる
  • ・相続放棄しても親の家の管理義務は残る

負債よりも遺産の方が多い場合は、地方に家があっても、前向きに売却可能性を考えてみましょう。

安易に相続放棄を選んでしまうと、数百万円損することになります。

相続放棄をするかどうかで、人生が大きく左右されると言っても過言ではありません。

じっくりと検討してから、決断するようにしてください。

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