マンション売却の準備

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中古マンションを高く売るためのリノベーション術をプロ目線で解説!【売れないを回避するためのイロハ】

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近年の中古マンション市場では、リノベーション済マンションが注目を集めている様です。
実際に不動産物件情報サイトなどを見ても、リノベーション済マンションの売却物件を数多く目にします。

そのため中古マンション売却時には、リノベーションを行った方が有利に売却できるのではないか、リノベーションを行うことで多少の利益が見込めるのではないか・・・と考えている方が多いのではないでしょうか。

しかし、一般の方が数百万円もの費用をかけて中古マンション売却前にリノベーションを行うことで本当にメリットがあるのでしょうか。
個人が行ってもリスクはないのでしょうか。

そんな疑問にお答えするために、本記事では中古マンションの売却対策について考えてみたいと思います。

そもそもリノベーションと通常のリフォームの違いは何か?

皆さんはリフォーム済マンションとリノベーション済マンションの違いをご存知でしょうか?

一般的には部分的にリフォームしたものがリフォーム済マンションで、広範囲に及ぶリフォームを行ったものがリノベーション済マンションと思っている方が多いと思います。

しかし、リフォームとリノベーションに明確な違いがあるわけではありません。

リノベーションという言葉を良く耳にする様になったのはここ5~10年くらいのことで、リフォームが不便さの解消を目的として行なうのに対し、リノベーションは個々のライフスタイルに合った住まいづくりを目的に行うというのが元々の使われ方でした。

したがってリノベーションに明確な定義があるわけではなく、もちろん施工方法の違いや法律上の定めがあるわけでもありません。

現在、一般社団法人リノベーション協議会(旧名称 リノベーション住宅推進協議会)では、リフォームが原状回復のための修繕・営繕・不具合箇所への部分的な対処としているのに対し、リノベーションは中古住宅に対して、機能・価値の再生のための改修、その家での暮らし全体に対処した包括的な改修を行うこととしていますが、これも後付けしたもので必ずしも正しいとはいえません。

なぜなら、リノベーションという言葉が定着する前にも機能・価値再生のための改修やその家での暮らし全体に対処した包括的な改修は度々行われてきたことであって、これらも全てリフォームと呼ばれていたからです。

一方近年では、耐震性や省エネ性、バリアフリー性などの住宅性能の向上を目的にするものもリノベーションのひとつとして解釈されることがあります。
しかしマンションは一戸建住宅と異なり、個人が構造躯体部分や屋外の給排水配管、屋根、外壁などに手を加えることはできないので、リフォームとリノベーションを明確に区別するのが更に難しくなっています。

ではなぜ室内の状態を一新しただけのものをリノベーション済マンションと呼んでいるのかというと、買取再販業者にとってその方が販売する上で都合が良かったからに過ぎません。

テレビや住宅雑誌等の影響でリノベーションという言葉が浸透していく中で、リノベーション済マンションとして販売すれば、それまでのリフォーム済マンションとは違う新たな価値やイメージを打ち出すために非常に好都合でした。

今までの中古マンションにはなかった新しい付加価値があるように思わせることができます。

そして何よりも「リノベーション」の方が「リフォーム」よりも洗練されたお洒落なイメージがあります。

しかし大きな付加価値を付けるとなると工事費用が高額になってしまうので、その分販売価格も上がってしまい、中古マンション最大のメリットである割安感が損なわれてしまいます。

そこで実際には300万円程度の費用しかかけられないことが多く、リノベーション済マンションとして販売されているものでも、従来のリフォーム済マンションとほとんど違いがないものが多いのが現状です。

こうした理由から現在の中古マンション市場では、表面上をリフォームで綺麗にしただけの、本来ならリノベーション済マンションとはいえない様な代物が数多く出回っています。

そして今ではそのことを多くの買主が知っているのです。

本来のリノベーション工事であれば、間取り変更や給排水管の交換、さらにバリアフリー化、断熱改修などの住宅性能向上リフォームが必要になるので、最低でも500万円以上の費用がかかってしまいます。

しかしそれだけ費用をかけて採算が合う様にするのは、プロの買取再販業者でも難しくなっています。

売却前のリノベーションが必要な場合と必要でない場合

中古マンションを購入する人にとって最大のメリットは価格の安さです。

そして中古マンションの購入を検討している人の中には、購入後にリフォームすることを前提に物件を探している人が数多くいます。

特に30代~40代の人達を中心に、お仕着せや新品であることにそれほど価値を置かず、自分たちのライフスタイルにあった住まいに価値を求める風潮があります。

不動産ポータルサイトや中古住宅情報誌の中で、「リノベーション向き中古マンション」として特集を組んでいるほどです。

したがって300万円高いリノベーション済物件を購入するよりも、300万円安い価格で購入し、その差額で自由にリフォームできた方がこの様な買主にとってはメリットがあります。

また、購入後にリフォームすることを前提に物件を探している人にとっては、自分の趣味嗜好に合わないリノベーション済マンションは、単に価格が高いだけでマイナスポイントにしかなりません。

せっかく高いお金をかけてリノベーションしても、見向きもされない可能性が高くなってしまいます。

たとえ限られた予算であっても自分らしく暮らすことを目的に行うリフォームこそが、こうした人達にとっての本当のリノベーションなのです。

一方で、中古マンションを購入してすぐに入居したいと考えている方も少なくないでしょう。

その様な人にとっては、リノベーション済マンションはとても魅力的です。

しかし数多くのリノベーション済マンションが売りに出されている中にあって、他の物件以上の付加価値がなければ勝負になりません。

したがって、リノベーションにかけた費用をそのまま販売価格に上乗せするのは難しくなるでしょう。

次にリノベーション資金調達の問題があります。

中古マンションの平均的な売却期間は3か月前後といわれています。

リノベーション資金をリフォームローンなどの融資を受けて調達する場合には、物件が売却できるまでの金利負担を負うことになってしまいます。

半年以上売れ残ってしまうことにでもなれば、更に負担が大きくなります。

この様なリスクも見逃すことはできません。

以上のことから、個人が中古マンションをリノベーション後に売りに出すのは、リスクが高い割に効果が期待できないと言えます。

買取再販業者がリノベーション後に転売する理由

ではなぜ、現在多くのリノベーション済マンションが売りに出されているのでしょうか。

実はリノベーション済マンションの売主は、ほとんどがプロの不動産買取再販業者です。

プロなのでビジネスとして成立させるために、利益を出すための様々な施策を行っています。

  • ・相場よりも安く物件を仕入れている
    安く物件を仕入れるために、日々地道に物件情報を収集しています。
    また、売却希望の方から相場よりも安い価格で現金で買い取るなど仕入れに力を注いでいます。
  • ・徹底した工事代金のコストダウンを図っている
    建築資材の大量一括仕入れや自社施工体制の確立を行うことにより、工事費のコストダウンを図っています。
  • ・買主のニーズを把握している
    売却物件のエリアや価格相場、ターゲット顧客のニーズなどを把握しているため、ニーズに合ったリノベーション計画を立てることができます。
  • ・販売体制が確立されている
    グループ会社に不動産仲介会社があったり、販売ネットワークがあったりすることが多く、販売体制が確立されています。
  • ・保証やアフターサービスなどの付加価値を付けて販売している
    買取再販業者が販売する中古マンションには、保証やアフターサービスが付けられているので、買主には安心感があります。

 

以上の様に相場よりも安く物件を仕入れて、徹底したコストダウンの元でリノ
ベーション工事を行い、保証などの付加価値を付けて販売するのが買取再販業
者のビジネスモデルです。

こうした企業努力の結果、リノベーション済マンションの販売で利益を出して
いるのです。

それでもすべてのリノベーション済マンションの売れ行きが好調なわけではあ
りません。

その様な中で、個人がリノベーション済マンションを売却しようとしてもリス
クが高くなるばかりで、成功する確率は極めて低いと言わざるを得ないのです。

高値売却を実現するための中古マンションリノベ術

では中古マンションをできるだけ有利な条件で早期に売却するためにはどうし
たら良いのでしょうか。

購入後にリフォームをすることを前提に物件を探している人でも、決して汚い
マンションを購入したいと思っているわけではありません。

「古い」のと「汚い」のとは違うので、人に不快感を与える様ではなかなか買い
手が見つかりません。

また汚い家は、売主が丁寧に住んでいた印象が薄く、他にも多くの不具合がある
のではないかと思われてしまいがちです。

水回りの不快な臭いや、天井・壁に付いたカビやタバコのヤニなどは、ハウスク
リーニングや最低限のリフォームを行って取り除いておく必要があるでしょう。

その他では、生活感が出やすい汚れた畳や襖を交換したり、水栓金具やドアノブ
を新しくしたり、照明器具を明るいものに交換したりするだけでも、室内の印象
が大きく変わります。

一度に全部を行う必要はないので、売り出しの状況を見ながら、必要に応じて行
う様にすると良いでしょう。

まずはわずかなお金で内覧時の印象を良くすることを第一に考えましょう。

次に買取再販業者に買い取ってもらう方法があります。

価格は相場よりも2~3割程度安くなると言われていますが、現状のままで売却
することができ、すぐに現金化が可能、仲介手数料が不要、売却後の瑕疵担保責
任(水漏れや機器の故障等)の負担がないなどのメリットがあります。

売れ残りのリスクを避け、期限があって確実に早期売却したい場合には有効な
方法です。

ほかには、初期費用をかけずにリノベーションができる方法があります。

「初期費用0円でリノベーションして売る」という買取保証付きのサービスを
行っている会社があるので、検討してみるのも良いでしょう。

はじめに売却予定マンションの内装工事の請負契約とコンサルティング契約を
締結し、一定のリノベーション工事後に販売活動を行って、売買が成立して決済
する時点で内装工事費とコンサル費を支払うという仕組みです。

プロの再販業者から売れる最適なリノベーションを提案してもらうことができ、
万が一売却期間内に売却できなかった場合には、はじめに提示された価格で物
件を買い取ってもらうことができます。

リノベーション後に物件を売却したい場合には便利なサービスですが、それな
りのリスクもあるので慎重に検討する必要があります。

まとめ

不動産は一戸建て、マンション、新築、中古にかかわらず、買い手の間口が広が
るほど、購入希望者間の競争が激しくなって高値で売りやすくなります。

これは不動産以外の商品にもあてはまる共通の法則です。

そしてどんなに中古マンションを綺麗にリノベーションしても、顧客の嗜好に
合わなければ購入を検討する対象にもなりません。

いくら買主にとって良いと思って行ったリノベーションでも、売主の判断で行
うと買主にとってプラスになるとは限らないのがリノベーションの難しいとこ
ろです。

したがって買い手のニーズが多様化している近年においては、下手にリノベー
ションを行うことでかえって買い手の間口を狭めてしまうことにもなりかねま
せん。

個人がプロの買取再販業者を真似て、手持ちのマンションをリノベーション後
に売りに出して利益を得ようとしても、成功する可能性は極めて低いと思って
間違いないでしょう。

一般の方が売却対策として中途半端なリノベーションを行うのは、絶対にオス
スメできないというのが結論です。

また、少額のリフォーム工事を行う場合にも、かけた費用を無駄にしないために
事前に不動産仲介業者の意見を聞くようにしましょう。

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